PR

 スウェーデンでは、私立大学は一部の専門学校を除いてほとんどなく、総合大学は国の管理下に置かれている。入学試験は特殊学校を除き、皆無だ。高校卒業時の総合評価点数が物を言い、大学の学部別の申し込み数から最低点数を決めて、合否を本人に通知する。授業料は無し。学生たちへの経済支援はしっかりしていて、国が育英資金を貸し付け、60歳ぐらいまでに返済する義務を負う。

 しかし単位が取れなかったら容赦なく次期のローンはストップされるので、学生は必死に勉学に励む。教育機会均等のお手本のようだが、高福祉高負担の国、スウェーデン社会に教育の理想像が息づいている感じである。

ニレンス建築事務所が設計したイエテボリ大学教育学部の新校舎。右手に見えるレンガ造の建物は古い病院を再利用。前を路面電車が走る
ニレンス建築事務所が設計したイエテボリ大学教育学部の新校舎。右手に見えるレンガ造の建物は古い病院を再利用。前を路面電車が走る

 スウェーデン第二の都市、イエテボリにあるイエテボリ大学教育学部の新校舎2棟の建築コンペが1999年に行われ、ストックホルムのニレンス建築事務所とデンマークの3 X Nielsen案が選ばれた。新しいキャンパスの建設となると、環境を重視したカタチで郊外へと移転していくのが昨今の実情だ。しかし、このキャンパスの建設場所は意外にも市の中心部。学部前は路面電車が走り、かなり騒がしいようだが、生い茂る街路樹のある風景には洗練された大都市の風情が漂う。

◆NEXT:最も眺めのいい場所に食堂を配置