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外部と居間との中間領域として幅の広いぬれ縁を設置し、大屋根とともに空間の連続性を持たせている(写真:米丸 淳子)
外部と居間との中間領域として幅の広いぬれ縁を設置し、大屋根とともに空間の連続性を持たせている(写真:米丸 淳子)

 敷地は箱根の山々を背に杉の森に囲まれ、十数軒の戸建て住宅をつなぐ細路の末端に位置する。60代男性一人が住まうという条件から、「大自然の直中、現代風東屋に粋に住む」をコンセプトとした。

 敷地北側の豊かな眺望と南側の住宅地との関係性から、居間の開口は北東側へ大きく開放可能とし、幅の広いぬれ縁をまわしている。南東側には居間を中心に玄関や水まわり、寝室などの生活機能をL型に配置。生活動線の利便性、自然との調和のために建物ボリュームを抑えるなどの目的から平屋建てを選択した。

 居間の大空間からぬれ縁までを覆う大きなこう配屋根は、極力薄く軽く見せるために鉄骨架構とし、構造的工夫を施している。またL型のボリュームはRC造とし、空間の質の違いによって構造形式を明確に分けている。居間の大屋根は西側から東側開口部方向へ大きくこう配を取りつつ天井高さを低く抑えていくことで、明るさと開放感とともに、落ち着きのある住宅としてのスケール感を確保している。

)東側から望む全景。大屋根は断熱性能の向上と結露防止を配慮して、通気層を設け断熱を二重とした(写真:後藤 充)
東側から望む全景。大屋根は断熱性能の向上と結露防止を配慮して、通気層を設け断熱を二重とした(写真:後藤 充)

屋根架構について 
 屋根架構に採用した構造システムは、以前勤務していた梅沢建築構造研究所で実績のある「サンドイッチ折版」と呼ばれる工法だ。鉄骨の版構造ではあるが単純な一方向版構造ではなく、折版の直行する方向の上下に角鋼管を配することで二方向版構造としている。
 さらに、上弦材のみを延長させて妻側も同様に先端部の方向を組み替えて角鋼管を跳ね出すことで、軒先端を薄く軽やかな屋根とした。

Villa Gotenba
所在地=静岡県御殿場市神山字中尾376-92
建築面積=114.48m2
延べ面積=109.37m2
構造・階数= RC 造(壁式)・一部S 造、地上1階
設計・監理者=竹内デザイン、T-PROJECT ATELIER
設計協力者=構造:クレモナ建築構造研究所、設備:IF 設備計画、T. 建築設備設計、 照明:ライト フィールドアーキテクツ
施工者=安池建設工業
施工期間= 2006年7月~ 07年2月
屋根工事費= 208万7000円(税込み)
屋根仕上げ=鉄骨部分:ガルバリウム鋼板