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 「撮り歩記」第64回で紹介した2008年「スウェーデンのベスト職場賞」を受賞した建築家、ファビアン・ワンクヴィスト氏が新たに手掛けた「ヒル アンド ノウルトン・スウェーデン」新社屋のインテリアは、オフィスと商空間をフージョンさせる試みとして注目される。

 ヒル アンド ノウルトン社は1927年創業の、PRおよび広報コンサルトを専門とする会社だ。ニューヨークに本社を置き、世界40カ国に70支社を有する、この分野での五大企業の一つである。スウェーデン支社があるブラッシーホルメンはストックホルムの中心に位置し、界隈には19世紀半ば以降に建設された国立美術館やグランドホテルなどが立ち並ぶ、歴史保存地区にある。

ニーブロ広場から見るヒル アンド ノウルトン社まわりの街並み
ニーブロ広場から見るヒル アンド ノウルトン社まわりの街並み

 同業の事務所が移転した後、5カ月間で全面改装したというオフィスのある5階にエレベーターで昇り、ガラス張りのドアを開けて入ると、白いボードとコントラストをなす真っ赤なレセプションがいきなりサプライズさせてくれる。原色に近いようだが、色彩的な嫌みを感じさせない、親しみと温かさのあるアプローチという表現がぴったりするデザインだ。

レセプションはインパクトある白と赤のコントラスト
レセプションはインパクトある白と赤のコントラスト

ロビーから見るレセプション
ロビーから見るレセプション

 「クライアントと社員スタッフの間でお互い秘密性のある情報を共有しつつ、いかにしてオープンに、ふれあい感覚を維持できるかというのが今回の最も重要なコンセプト。その解答となったのが真っ赤なトンネルです」とワンクヴィスト氏。延べ750m2あるオフィスのレセプションの窓際には、雑誌の閲覧室風の余裕あるロビー空間が広がる。スタッフルームは赤いトンネルを挟んで左右に並んで配置されている。

赤いトンネルの奥に続くオフィス空間
赤いトンネルの奥に続くオフィス空間

ロビーから見るオフィス。手前がディレクター室
ロビーから見るオフィス。手前がディレクター室

雑誌を窓際に配した見晴らしの良いロビー空間
雑誌を窓際に配した見晴らしの良いロビー空間

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