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 「25年前にアルジェリアのガルダイアを訪れた時はイスラム建築に目を奪われた。その後、造形に論理的な意味があると知って衝撃を受けた」と小嶋一浩氏。それらはまれに降る雨水を貯留する施設を兼ねていた。「地球上には僕らの想像を超える物事のでき方がある。方法は一つではないと思い知った」。

 「こんなに厳しい環境であっても工夫して暮らすのに、近代都市をつくる論理は世界中、同じに見える」と小嶋氏。冷房嫌いでもある小嶋氏は、窓を開けたまま快適に過ごす方法を研究するうちに、「フルイド・ダイレクション」という設計法に至った。この設計法を駆使したベトナム・ハノイの実験集合住宅では、高温多湿で密集地にもかかわらず、エアコンに頼らない町屋のモデルを実現した。


水が流れ出したような形をしたモスク。7年に1度くらいしか降らないという雨は、いったん降り始めると洪水のような状態になる。サハラ砂漠のムザブの谷にある7つの都市の一つ、ガルダイアにある。住人は丘の街とナツメヤシの畑に、夏と冬の家を構え、季節によって住み分ける。ムザブの谷は1982年にユネスコの世界遺産に登録された(写真:小嶋 一浩)

小嶋 一浩(こじま かずひろ)
1958年生まれ。82年に京都大学建築学科を卒業。86年に シーラカンスを設立した。東京大学建築学科助手を経て、98年C+Aに改組。現 在はC+Aパートナー。2005年に東京理科大学建築学科教授に就任。「千葉市 立打瀬小学校」で日本建築学会賞作品賞を受賞。代表作は「氷室アパートメント」 や「吉備高原小学校」「ビッグハート出雲」など