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 名護市庁舎の一番の見所はヤンバル地方の祭りの場所である「アサギ」をテラスとして取り入れ、日差しを遮りながら風を通すルーバーを架けたところだ。外廊下や室内を貫通する風の道をつくり、空調機器を設けない設計だ。設計者の象設計集団が掲げた「7つの原則」のうち、「五感に訴える」「自然を受け止め、自然を楽しむ」の2つは遠藤和広氏も設計の原則に据えている。

 「CO2の排出量を抑制できる電気エネルギーの時代が来る」と考える遠藤氏。「豊田市生涯学習センター」のコンペでは、 ハイブリッドカーに使用するキャパシタを用いた「地域電気ステーション」を提案した。「土地固有の環境を読み解いた結果を、建築家のストーリーにどう取り込んでもらうかが私の仕事だ」(遠藤氏)。


1979年に公開コンペで象設計集団が設計者に選ばれ、81年に建物が完成した。2001年「沖縄サミット」の際に、パソコンなどが増えたために空調機が導入された。それまではエアコンなしで使った。屋上緑化やアサギテラスのルーバーにブーゲンビリアなどをはわせて断熱効果を高めている。「地方の建築とは何か」を問い、後の公共建築のコンペに大きな影響を与えた(写真:本誌)

遠藤 和広(えんどう かずひろ)
1963年生まれ。関電工、日永設計を経て99年に EOS設 備工房を設立した。象設計集団やリチャード・ロジャースなど多くの建築家のプロジェ クトに参加する。「土・どろんこ館」や「ル シェル ブルー神戸」などの設備設計を手掛け た。2004年に、アトリエ天工人と共に参加した韓国ナクドン川エコセンターの国際 コンペで1位を獲得