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 これから社会人になろうとしているあなたは、もうすでに気がついているかもしれません。建築の仕事というのは、現代社会ととても密接に、そして複雑に関係し合っています。
 社会が建築に求めることは、例えば、大地震が来ても人命や財産を守ってくれること、健康で心地よい暮らしをさせてくれること、非日常的な空間体験によって日常生活に刺激を与えてくれることなど、実に様々です。こうした社会の要求に対して建築のプロフェッショナルは、技術的な知識、経験から学んだノウハウ、美的な感性などを駆使して応えていくのが仕事です。

 自分のどんな能力を武器にして、社会のどんなニーズに応えようとしていくのか。それはプロフェッショナル一人ひとりの自由です。この選択肢の幅広さが、建築の世界の大きな特徴といえるでしょう。ここに登場する先輩たちの仕事ぶりを見てもらえば、建築界のダイナミズムを実感できるはずです。先輩たちの後に続き、やがて追い越すもよし。あるいは、あえて先人のいない道を選び、自ら切り開いていくもよし。

 社会は、現在も将来も変化を続けていき、常に建築界に対して新たな課題を投げかけてくるでしょう。例えば地球環境の問題。建築界の先輩たちも、今まさに答えを模索しているところです。スタートラインに立ったばかりのあなたも、対等に競争できるテーマでしょう。いや、もしかしたらプロフェッショナルの常識にとらわれない若者の発想が、勝ることだって十分ありえる世界なのです。

 建築界と社会とをつなぐメディアを自負している建築総合誌「日経アーキテクチュア」と住宅専門誌「日経ホームビルダー」がお届けするこの特別編集版が、あなたが社会に飛び出す良い支えとなることを願っています。

(特別編集版「新しい建築の鼓動2009」