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 2008年は、さまざまな引き戸タイプの住宅用室内扉が発売された。年末にも、防音、採光、換気、大開口などをセールスポイントにした新しいタイプの製品が相次いで市場に投入された。

 引き戸は、開き戸と比べて開け閉めの際に必要なスペースが少なくて済むことからバリアフリーに対応する扉として注目されてきた。有効開口が広いこと、ひとつの空間を緩やかに仕切れることなどが採用理由になっている。そのため、最新の引き戸では機能性に加えて“心地よい部屋をつくる”ことを目指して開発された製品が少なくない。

 防音性能をアップすることで引き戸の価値を高めたのが、大建工業の防音ドア「リビングドアRIIIシリーズ防音タイプ 居室タイプ引戸・片引」だ。寝室や子ども部屋などのプライバシー確保が求められる部屋への採用を見据えている。

 ドア枠材には固定型のパッキンを、扉の上下には扉を閉めると膨らむエア型のパッキンを取り付けた。いずれも素材は天然ゴム。すき間をふさぐための厚さは耐久性を考慮して厚さを約1mmとしている。さらにドア内部には、ポリエチレンテレフタレートの吸音材を入れた。これらの工夫によって、従来の引き戸で20dBだった防音性能を30dBまで引き上げることに成功。大建工業の測定(500Hz時)では、音漏れを半減することができた。

 大建工業の室内扉のうち、1998年の引き戸の採用率は約30%だった。その後、少しずつ増加して2003年に約45%となった。2008年までは約45%を維持している。これまで防音性能を求めるユーザーは開き戸の採用に限定されていたが、需要はほぼ互角だ。今回の新製品によって、防音性能を確保しつつ、生活空間をより自由にプランニングできるようになる。


「リビングドアRIIIシリーズ防音タイプ 居室タイプ引戸・片引」。サイズは幅1645×高さ2045mm。有効開口幅は765.5mm。価格は19万9710円から24万6645円。レリーフアートやモダンスタイルなど4つのデザインで、それぞれオフホワイトやスーパーダークなど3~8色を用意している。2008年12月1日から販売を開始(写真:大建工業)

 三協立山アルミは、1991年から販売を続けている室内引き戸などの「ウッデリイアiS+」シリーズに「採風タイプ」を追加した。採光と通風を付加価値とした引き戸だ。住宅の気密性を確保しつつ、室内に風を通すことで適切な換気が行える。乳白色の合わせガラスを扉の上下方向へスリット状に入れたことで、扉の向こう側の人の気配を感じることができるようにした。ガラスの幅は46.5mm。またガラスと、隣接するアルミ素材の部分には風が通るすき間を設け、常時換気を行う。最も狭い部分で幅は4.95mmだ。シックハウス対策にも利用できる通風機構となっている。

 室内扉のラインアップに占める引き戸の割合は、三協立山アルミでは2005年が43%。2008年は49%になる見込みだ。


「ウッデリイアiS+シリーズ 採風タイプ」。デザインNo.9Lで片開きドア、ノンケーシング枠、サイズが幅780×高さ2039mmの場合、価格はチェルボノーチェ色が12万4005円、クロスロッソ色が12万7995円。ほかにダークパインとナチュラルパインの2色を用意している。2008年11月に販売を開始した(写真:三協立山アルミ)

 一方、開口幅を大きくすることにこだわったのが、トステムの「ウッディライン」シリーズの室内引き戸「Vレール方式 大開口引戸」だ。有効開口幅は1100mm。同クラスの従来品は約900mmだった。大型家具の搬入も可能なサイズを目指した。一般的な介護用ベッドの幅は1000mm弱。移動もスムーズにできる。

 大型の戸を支えるため、下枠をVレールとした。床の施工後にねじで固定するフラットタイプのレールを採用。段差はわずか4mmだ。また戸がゆっくりと閉まる「ソフトクローズ機構」も取り入れた。高齢者などの在宅介護が必要な住宅などもターゲットに据えている。


「ウッディラインシリーズの室内引戸 Vレール方式 大開口引戸」。サイズは、外枠が幅2380×高さ2023mm。戸本体が幅1229×高さ1976mm。木製ハンドルとケーシング付きの場合、価格は18万8790円。カラーは、ショコラーデ、ハーティーブラウン、キャラメルモカ、ニュートラル、エッセン、ジェラータ、リフホワイトの7色を用意している。2008年11月から2009年1月にかけて順次、販売していく(写真:トステム)

 間仕切りでも、トステムは高さにこだわった引き戸をラインアップに加えた。「ウッディライン」シリーズの「可動間仕切り 引戸Vレール方式」だ。高さは2600mm。一般住宅の天井高に合わせて設定した。天井と上枠の間に下がり壁をつくらずに納めることができるので、開放すると視野を妨げるものがない。下枠は「大開口引戸」と同様、Vレールで支える。

 面材は、半透明のアクリルパネルと木パネルの2つの素材を用意した。和障子のように緩やかに仕切ることも、木戸のようにしっかり仕切ることもできる。リビングとダイニング、リビングと和室などの間仕切りや、収納の扉への利用を想定している。

 トステムでも、引き戸の割合は増えているという。LDKの一角に和室を組み込むプランなど、部屋を緩く仕切るゾーニングが多くのマンションで採用されている。こうした傾向が戸建て住宅にも広まっていることから、天井まで届く引き戸タイプの間仕切りを開発した。

 トステムの広報担当者は、「高気密・高断熱化が進む住宅だからこそ、閉じ方だけでなく開き方も扉の重要な要素となる」と話す。「開き戸では閉じるか開くかのどちらかで、少しだけ開けた状態を維持することは想定していない。しかし、引き戸では開き具合や開く量の調整が可能だ。このような引き戸の利点を活かした製品づくりを進めていく」と今後の展開を語っていた。


「ウッディラインシリーズの可動間仕切り 引戸Vレール方式」。サイズは、幅3464×高さ2600mm。4枚建て、ケーシング枠なしの場合、価格は47万925円。2008年11月から2009年1月にかけて順次、販売をしていく。(写真:トステム)