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速水健朗氏の連載第2回では、クルマの販売拠点網の“地殻変動”が引き起こしつつある商業集積の加速に、スポットを当てる。モータリゼーション進展期がそうであったように、転換期を迎える自動車業界の向かう先は、郊外・ロードサイドの風景に少なからず影響を及ぼすはずだ。


 2008年10月、日本最大級のショッピングセンター(SC)「イオン レイクタウン」が埼玉県の越谷にオープンした。このイオン レイクタウンの一画を、トヨタグループが運営するオートモールが占めている。

 歩行者天国のようにパラソルとチェアが並んだ通路に面して片側に、トヨタの自動車が並ぶ。もう片側には、巨大なペットショップが店を構え、通行客と向き合ってペットの犬たちがトリマーに毛を刈られている。そして、その通路の行き当たる手前には子どもが遊ぶためのゾーンが設置されている。

 クルマ、ペット、子ども。なるほど、郊外生活に付きものの、いわば“郊外生活の三種の神器”といったところか。実際、ショッピングモールを訪れる人たちの多くが、子どもと犬を乗せてクルマでやって来る。


左手にトヨタの販売店5社による自動車販売ゾーン、右手にペットショップが並ぶトヨタモール(埼玉オートモール)店内。イオン レイクタウン MORIの1階に位置する (写真:速水 健朗)


 訪れてみると分かるが、いまどきのショッピングモールの多くは、犬と一緒に来店できるような気配りができている。イオン レイクタウンでも、ペットを連れて回れるゾーンが設定されており、モール内を犬たちがリールに引かれて歩いている姿を、普通に見ることができる。

 入り口に立てば、クルマ、ペット、子どもがすぐ目に入ってくるようなこのモール型店舗の設計を見ると、トヨタがショッピングモールに乗り出す理由が、素人なりにも理解できる。このオートモールの売り物は、自動車だけではなく、郊外生活というライフスタイルそのものなのだ。


ペットを連れ歩ける地域がゾーン指定されている (写真:速水 健朗)


イオン レイクタウンの外観 (写真:速水 健朗)


大型ショッピングモールはトヨタにも頼みの綱

 トヨタがショッピングモールの運営に乗り出したのは、2000年11月オープンのカラフルタウン岐阜が最初。その後、06年12月に大阪オートモール(アリオ八尾内)、07年11月にトレッサ横浜(グランドオープンは08年3月)と続き、現在、4つのオートモールを運営している。いずれも99年設立のトヨタオートモールクリエイト(名古屋市)が運営に携わる。モール展開が進んできた背景を探ってみよう。

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