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 サイディングの窓枠まわりの目地に施工したシーリング材が短期間で劣化し、雨水が浸入した──。雨漏りの記事に関連し、寄せられたトラブル事例だ。この読者は、「雨仕舞いのミスもあるが、シーリングに対する知識不足が誤施工を招いた」と考えている。このような問題に対処するためのシーリングの基礎知識を、メーカーなどに聞いた。

 日本シーリング材工業会によると、戸建て住宅で使われているシーリング材は、変成シリコーン系の製品が主流だという。他には、シリコーン系やポリウレタン系などのバリエーションがある。しかし、シーリングに詳しくない人が、これらの中から最適なものを選び出すのは簡単ではない。施工する部位が金属か、窯業系サイディングか、ガラスか──などで適合する製品が異なるからだ。

 また、シーリング材の上に塗る塗料の有無や、紫外線の影響、部位の動きなども考慮しなければならない。たとえば、安価なポリウレタン系の一部の製品の場合は、塗料を上塗りできるメリットがあるが、紫外線が苦手。太陽光が長時間当たる外壁の場合、シーリング材の上に保護処置をしなければ、予想以上に早く劣化してしまうこともあり得る。

 柔軟性を保つためにシーリング材に添加している可塑剤は、上に塗装した塗料を溶かし、壁を汚す「ブリード現象」を起こしやすい。汚れを気にするなら、可塑剤を含まない「ノンブリードタイプ」か、周囲の色に合った着色タイプといった選択肢もある。

 最適なシーリング材を選ぶ基礎知識を得るには、日本シーリング材工業会が発行する「建築用シーリング材ハンドブック」が便利だ。この本では、シーリング材と建材の相性を「適材適所表」にまとめている。下の表は、ハンドブックから一部を抜粋し作成したものだ。この適材適所表などを参考にしながら組み合わせを確認したうえで、メーカーに問い合わせて最適な製品を選ぶとよい。

 日本シーリング材工業会の事務局長である佐藤重徳さんは、「専門工事としての認識が必要」と指摘する。知識や専門技術を持たない大工などに“雑工事”として任せるのではダメ。自らが基礎知識を持ったうえで、シーリングに詳しい工事会社に施工を依頼して、誤施工を防ぎたい。



○:適用可能 △:事前検討が必要 ―:適用不向き A:影響なし B:影響少ない C:影響あり
*1 動きに追従しやすい「低モジュラスタイプ」を使用する
*2 引っ張り応力が高く、動きの少ない部位に適した「高・中モジュラスタイプ」を使用する
日本シーリング材工業会の「建築用シーリング材ハンドブック 2008年版」から抜粋して作成した
(資料:日経ホームビルダー)


●戸建て住宅で使われるシーリング材の特徴

・シーリング材は主に、空気中の水分と反応して硬化する「1成分形」と、主成分と硬化剤が反応して硬化する「2成分形」がある。一般的には、施工の手間などを省くため、チューブを装着したシーリングガンで施工できる1成分形を使うことが多い。
・価格は製品によって異なるが、主なもので、変成シリコーン系のシーリング材を基準にすると、シリコーン系は2倍弱、ポリウレタン系は3分の1程度になる。

【シリコーン系】 高価だが、使用する量(m数)が少なくて済む場所では有効。人体への影響が少ないことから、キッチンなどの水まわりに向いている。ただし、「塗料を塗ることができない」「シリコーン系同士でなければ継ぎ足し施工できない」「施工部位の周辺が汚れやすい」といったデメリットがある。
【変成シリコーン系】 多くの材に対応できるが、ガラスなどは苦手。また、表面硬化時間が短いので早めにへら仕上げを行う必要がある。
【ポリウレタン系】 安価だが、ほこりの付着や上塗りした塗料による汚れなどに注意が必要。製品によっては紫外線に弱いものもある。


◆詳しくは、日経ホームビルダー 2月号の「読者に代わって調べます」で解説しています。このコラムは、読者から寄せられた疑問や意見を基に、家づくりにかかわる気になるテーマを深掘りします。