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 バルセロナの新しいランドスケープとして定着しつつある、ジャン・ヌーベル設計の水道局ビル、トーレ・アグバール。きゅうりの先端をイメージしたような高さ144mのビルだ。周りには、訪れるたびに観光客や視察者と思われる人だかりが観察でき、人気のほどがうかがえる。東側の一帯、ディアゴナール大通りの南側から海岸線に至る地区の再開発が、昨今の不況を感じさせないほどのスピードで急ピッチに進められている。22@と名付けられた市先導の総合開発で、バルセロナで現在最も活気ある建設現場となっている。

 かいわいは19世紀以降、バルセロナの経済的繁栄の原動力となった、紡績関連の中小の工場が立ち並んでいた。“Poblenou”と呼ばれる地区で、IT関連の企業や住宅、教育機関、ホテルなどからなるシリコンバレー型の未来都市の構築を目指している。

 今回取り上げるMuseo Can Framisは19世紀後半に創業を開始したコットン工場をリ・ユースし、今年4月に竣工した総延べ面積5800m2の美術館。建築家やインテリアデザイナー20人ほどからなるBaas Arquitectesが手掛けたものだ。

道路から1.5メートルほど下がった位置に建つミュージアム (写真:武藤 聖一)
道路から1.5メートルほど下がった位置に建つミュージアム (写真:武藤 聖一)

 エントランスは道路から1.5mほど低いところに位置する。広いパテオを囲むようなコの字形をしており、南側のゲートから望める。エントランス館の背後にある赤レンガ造りの煙突とコントラストをなす都市空間は、新旧建築をフュージョンする。しかも、ビジュアルかつストレートに表現する、バルセロナの近未来の都市景観を象徴している感じだ。また、広々とした石庭や旧建物のレンガを補強したモルタル、新築のコンクリートなど異なったテクスチャーがコラージュとなって景観に調和している。

南側の丘からゲートとパテオをみる (写真:武藤 聖一)
南側の丘からゲートとパテオをみる (写真:武藤 聖一)

パテオからエントランス館を見る。背後に超高層のトーレ・アグバールが見える (写真:武藤 聖一)
パテオからエントランス館を見る。背後に超高層のトーレ・アグバールが見える (写真:武藤 聖一)

パテオからエントランス館を見る。別アングルから (写真:武藤 聖一)
パテオからエントランス館を見る。別アングルから (写真:武藤 聖一)