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 カタルーニャ広場から北に延びるバルセロナの目抜き通り、パセオ・デ・グラシア通りにダービーホテルチェーンのアパートメントホテル、スイーツアベニュー(全41室)が営業を開始している。活気に満ちたかいわいには19世紀後半から20世紀にかけて造られた建築が並ぶ。バルセロナの観光スポットとなっているガウディー設計のカサ・ミラが、はす向かいに対峙(たいじ)している。

プラタナスの街路樹越しに見るホテルのファサード (写真:武藤 聖一)
プラタナスの街路樹越しに見るホテルのファサード (写真:武藤 聖一)

1階のブティック側からの見上げ (写真:武藤 聖一)
1階のブティック側からの見上げ (写真:武藤 聖一)

バルコニーから見るたそがれ時のカサ・ミラ (写真:武藤 聖一)
バルコニーから見るたそがれ時のカサ・ミラ (写真:武藤 聖一)

 スイーツアベニューは既存のオフィスビルを長期滞在型ホテルに改修したプロジェクトだ。ファサードと建物内部の吹き抜けとなっている光庭のリノベーションは、伊東豊雄建築設計事務所が手掛けた。

 カサ・ミラのファサードは、石こうの加工技術により量感のある波を有機的に表現している。このホテルでは厚さ8ミリのコールテン鋼を曲面加工し、都市表面にうねりを生成している。この点に特徴を見出せる。目地を入れずに一体化し、リズミカルでダイナミックな景観を演出する。表面は桜色のパール入り塗装が施されているため、時間や天気の移ろいとともにその表情を変えていく。見どころのポイントといえる。

 動きを内包するかのように横に流れる波が何本も描かれ、波間が近づけば建物を覆い、離れれば景色を見渡せる開口となる。「当初の計画では大きな波をデザインしたが、視認性や閉鎖性の問題を考慮し、きめ細かい波が重なるようなデザインへ変更していった。改修前のオフィスビルは周辺の建物と同じように構成され、7階建ての前面は開口が4つに分かれて部屋が並んでいた。このため、7×4のグリッドを下敷きとして描くことにより、街のスケールにつながる印象を生み出すことができた」。こう話すのは、伊東氏のバルセロナ事務所スタッフで、取材に同行してくれた福田誠氏。

波間のような開口部を下から見上げる (写真:武藤 聖一)
波間のような開口部を下から見上げる (写真:武藤 聖一)

バルコニーの光の床とリズミカルで曲線的なフレーム (写真:武藤 聖一)
バルコニーの光の床とリズミカルで曲線的なフレーム (写真:武藤 聖一)