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「人が健康に生活できる住空間とはどのようなものか」──。健康維持増進住宅研究コンソーシアム/日本サステナブル・ビルディング・コンソーシアムが、昨年に続き「健康維持増進住宅設計コンペティション2009-2010」(提案コンペ)を開催する。参加登録締め切りは2月26日(金)、作品提出締め切りは3月12日(金)。建築・住宅にかかわる実務者や研究者から学生まで幅広く対象とし、今年は、「身体活動(運動)」「睡眠」「食事」をテーマにした具体的な提案を求める。

(注)本コンペの要項、応募シートなどについては「建築環境・省エネルギー機構 IBEC」の案内ページ(http://www.ibec.or.jp/consortium/kenko_compe02.html)をご覧ください。

 近年、住宅設計に関しては、環境負荷の低減などを中心に性能面の向上が盛んに議論されている。「もちろんそれらは大切な要素だが、数字で表すことのできない住宅の質がないがしろにされてはいけない。そこで、健康維持増進住宅研究コンソーシアムでは、“健康”をキーワードに住空間のクオリティについて改めて考えることを目的の一つにしている」と、同コンソーシアムで設計部会長を務め、コンペの副審査委員長でもある小泉雅生氏(建築家、首都大学東京大学院准教授)は話す。

 2007年に国土交通省の下に発足した健康維持増進住宅研究委員会(委員長:村上周三・建築研究所理事長)の活動と並行し、同コンソーシアムは、健康影響低減部会(部会長:吉野博・東北大学大学院教授)、健康増進部会(部会長:田辺新一・早稲田大学教授)、健康コミュニティ推進部会(部会長:伊香賀俊治・慶應義塾大学教授)、そして設計部会の4つを設けて応用研究や技術開発などを進めている。その考え方や成果の普及を図るためにシンポジウムを開き、書籍を発行するとともに、昨年、初めて設計コンペ(提案コンペ)を開催した。

 昨年のコンペは、1回目ということもあり、住宅単体に限らずにライフスタイルやコミュニティなどを含む提案を募った。今回はより具体的に、住まいと健康の関係に踏み込んだ提案を求めており、「適度な身体活動(運動)、快適な睡眠、楽しい食事を実現する“健康な住まい”」をテーマにしている。

 「何をもって健康とするかは人それぞれ。精神的な面と身体的な面があり、これがいいとは一律に言えないし、環境負荷の低減などのように数値で示すこともできないから難しい。しかし、だからこそ住宅の質を考えるキーワードとして意味がある」と小泉氏は語る。住まいと健康の関係は、近代以前から人がより良く生きる上で問われ続けてきた根源的な問題だ。少子高齢化が加速し、さまざまなストレスがまん延する現代社会において、その解決の糸口を建築・住宅の観点から探ることは急務でもある。「家のなかでの人の行為を見詰め直し、与えられたテーマから自由に発想を広げてほしい」と、小泉氏は意欲的な提案が集まることに期待を寄せる。

 昨年同様、1次審査を通過した提案について、公開形式のプレゼンテーションと審査を行う。最優秀賞1点・賞金50万円、優秀賞2点・賞金10万円。審査員は前出・吉野氏(委員長)、小泉氏(副委員長)、田辺氏のほか、手塚由比氏(建築家、手塚建築研究所)、東嶋和子氏(科学ジャーナリスト)、星旦二氏(医師、首都大学東京大学院教授)。

 では、住まいと健康とは、どのような関係にあるものなのか。次回から2回に分けて、小泉氏と手塚氏の対話を基にお届けする。


●昨年(第1回)の入賞作品(最優秀2点、優秀1点、審査員賞3点、佳作7点)は、下記URLからご覧になれます。(建築環境・省エネルギー機構 IBEC)
http://www.ibec.or.jp/consortium/kenko_compe01.html

●昨年の公開審査の模様と結果速報(ケンプラッツ)
「人を健康にする住空間」コンペ。応募308案から最優秀2作品決定

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