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 東西ドイツの統合から早いもので20年が経過し、昨年は節目を祝う多くのイベントでメディアが賑わった。ベルリンの壁の崩壊直後、娘を連れてバルト海をカーフェリーで渡り、塀の一部を土産にとベルリンまで行った。しかし、打ち砕くのに十分なハンマーを持ち合わせていなかったため、狙ったほどのビックサイズのコンクリート片はスウェーデンまで持ち帰れなかった。ほろ苦さを今でも思い出す。以来、世界中の建築家たちが競演し合い、変身していく街の景観には、他の成熟都市には見られないアトラクションがあった。2001年に竣工し話題をまいたソニーセンターのあるポツダム広場付近も、最近ではすっかり落ち着きを取り戻している。

 この広場とブランデンブルグ門を南北に結ぶエーベルト通りに、オットーボック・サイエンスセンターが2009年6月に竣工している。同社はドイツの医療・福祉機器メーカーで、創業は1919年。現在40カ国に子会社を有し、その製品と技術を140カ国に輸出している。この分野でのリーダー的存在である。

 地上6階・地下1階の総延べ面積1383m2のこの建物は、オーガニックで極めてアイキャッチャーだ。筋肉をモチーフにしたように、イレギュラーな凹凸にカットされた白いアルミプレートで覆われている。エントランスはキャノピーになっていて、展示会のインフォメーションが流れ、人を呼び込むハイテクな印象を与えている。

筋肉をモチーフにしたように、凹凸にカットしたアルミのプレートで覆われたファサード (写真:武藤 聖一)
筋肉をモチーフにしたように、凹凸にカットしたアルミのプレートで覆われたファサード (写真:武藤 聖一)

照明を内蔵したエントランスのキャノピー。展示会のインフォメーションが流れる (写真:武藤 聖一)
照明を内蔵したエントランスのキャノピー。展示会のインフォメーションが流れる (写真:武藤 聖一)