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 ストックホルムでは今、ヨ-ロッパで最も注目されている住宅開発が進んでいる。市の中心から4キロほど南東に位置し、バルト海とメーラレン湖を結ぶ運河の一部となっている湖に面したハンマビーショースタッド地区のそれである。

湖に面し歩道や自転車道、ブリッジなどが整備されている。写真中央の集合住宅が今回取り上げる「BORJAN 4」 (写真:武藤 聖一)
湖に面し歩道や自転車道、ブリッジなどが整備されている。写真中央の集合住宅が今回取り上げる「BORJAN 4」 (写真:武藤 聖一)

ソードラ島(南島)から湖越しに見るハンマビーショースタッド地区 (写真:武藤 聖一)
ソードラ島(南島)から湖越しに見るハンマビーショースタッド地区 (写真:武藤 聖一)

 この周辺は元々、工場や倉庫が建ち並び、環境汚染や社会問題などが生じるスラム的なエリアであった。1992年に開発が始まり2004年のオリンピックにストックホルムが立候補した際、この周辺にオリンピック村を建設する予定だったが、アテネに敗れ、プロジェクトの変更を余儀なくされた。

 その後、市の主導で不動産デベロッパー、エネルギーセンター、交通インフラ局などが一体となり、集合住宅の建築プロジェクトが始まっている。敷地面積は200ヘクタール。現在までに8000世帯の入居分が完成し、2018年までにトータル1万1000戸の住宅と1万人の雇用創出を目標としている。

 可燃性廃棄物を燃料とした発電、温湯の供給、ヒートポンプを利用した下水処理からの熱回収、汚泥からのバイオガス回収と交通機関への燃料供給、雨水の再利用、太陽光発電――。環境に優しいテクニックを駆使したトータルのエコシティーを目指すウオーターフロント型の都市開発である。

 また、ユニークなのは落札によってデベロッパーや建築家を選び、より進歩的なアイデアを個々の住宅開発の主眼とした、最先端のまちづくりが行われている点にある。そのためヨーロッパをはじめ日本からも視察が絶えないという。

ひときわ目立つ回転しながら角度を変えるアート (写真:武藤 聖一)
ひときわ目立つ回転しながら角度を変えるアート (写真:武藤 聖一)