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彫刻や民家も江戸の見所

 派手好きの庶民文化の影響か、江戸時代には大工の職能の分化も進み、彫刻を得意とする大工も現れ、極致といってよいほどに繊細かつ複雑なものが彫られるようになりました。新勝寺三重塔(千葉、東30選)、歓喜院聖天堂(埼玉)、さらに屋根まで複雑化した岡太(おかもと)神社・大瀧神社(福井、東30選)などで見ることができます。

岡太神社・大瀧神社(イラスト:宮沢洋)
岡太神社・大瀧神社(イラスト:宮沢洋)

新勝寺三重塔(イラスト:宮沢洋)
新勝寺三重塔(イラスト:宮沢洋)

 また江戸時代になると、一般庶民の住まいである民家の遺構も数多く残っているので、当時の状態が分かります。構造には共通点があるものの、地域差も見られ、各地の風土に適したつくられ方をしています。平面がL字型をした南部の曲屋(まがりや)(岩手)、急勾配の屋根をもつ白川郷の合掌造(岐阜、東30選)、棟がコの字のくど造(佐賀、福岡)など、風土に沿った特徴ある民家形式が全国各地にあります。石垣で囲われ、赤瓦がふかれた中村家住宅(沖縄、西30選)も、まさに沖縄らしい住宅です。