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3m以上はね出すバルコニー

 このプロジェクトを見ていると、つい、バルコニーの薄いスラブのはね出しは構造的に大丈夫なのだろうかと不安になってしまう。バルコニーのキャンチレバーの長さは3.35m、コーナー部の見付け幅は7.5mに達する。

 スラブ断面が薄く、奥行きのあるバルコニーを実現するために、スラブには高強度コンクリートを採用。さらに、アンボンドのポストテンションケーブルを挿入して、コンクリートのクリープ変形やひび割れを抑えている。

建築家による断面イメージ図(資料:Boeri Studio)
建築家による断面イメージ図(資料:Boeri Studio)

施工中のキャンチレバー部分を支えるためのセルフサポート足場(写真:Peri)
施工中のキャンチレバー部分を支えるためのセルフサポート足場(写真:Peri)

 この敷地の地盤状態は良く、地下水位も問題なかった。しかし、当再開発地区の地下には地下鉄が2路線走っており、建物の基礎を計画するうえでの課題となった。地下鉄の振動によって、住居部分の快適性が損なわれるからだ。

 問題を解決するために採用したのが「免振」装置である。同装置はコイル状の鋼製ばねを複数組み合わせたものだ。

免振装置。地震ではなく地下鉄の振動を抑えるためなので、日本で一般的な「免震」装置とは様子が異なる(写真:Gerb)
免振装置。地震ではなく地下鉄の振動を抑えるためなので、日本で一般的な「免震」装置とは様子が異なる(写真:Gerb)