トリビア2:8つのレリーフは「干支」
続いてトリビア2。8つのレリーフは「干支(えと)」がモチーフ。
アーチとアーチの間にある緑色の円盤。そこに白一色で表現されたレリーフは干支の動物たちだ。ただし、ドームが八角形なので、レリーフは8枚しかなく、十二支すべてを入れることができない。そのため、真東、真南、真西、真北を示す「卯(う)」、「午(うま)」、「酉(とり)」、「子(ね)」は外した。
この干支の話は割と有名なので、知っている人も多いかもしれない。だが、ここから先の話を知っている人はかなりの辰野金吾ツウだ。
辰野の郷里、唐津に近い佐賀県武雄市に武雄温泉楼門という建物がある。辰野の設計で東京駅の翌年(大正4年)に完成した。近年、この建物に、東京駅のドームで外された4つの干支があることが判明したのだ。
2013年の改修工事をきっかけに、2階天井の四隅の板に卯、午、酉、子が彫られていることが分かった。4つの干支は、東京駅ドーム内の8つの干支と方位も対応していた(詳細はこの記事)。辰野の遊び心だろう。