クレームに学ぶ
目次
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「断熱改修したのに結露が収まらないぞ」
リフォーム会社のA社は、築30年を超えるBさん宅の大規模リフォームを約500万円で請け負った。単板だった窓ガラスは複層に替えた。工事の後、「これで空調の効率がよくなる」と満足そうなBさんに、A社の営業担当社員は、「冬場の結露がなくなる効果もある」と説明した。
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低コスト住宅への挑戦でつくり忘れたもの
工務店のA社は、価格破壊を掲げる大手住宅会社の攻勢に対抗するため、坪単価を25万円程度に抑えた低価格仕様の企画住宅を開発した。新聞の折り込みチラシで宣伝すると、安さを評価した50歳代のBさん夫妻から新築の依頼がきた。
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「住宅エコポイントはどうなったんだ」
2011年5月頃、50歳代のAさんは、住宅エコポイントの終了が早まることを報道で知った。Aさん宅は新築したばかりの木造戸建て住宅だ。仕様は次世代省エネルギー基準のはずなので、住宅エコポイントがもらえると期待していた。しかし、住宅会社のB社からは、その件についてまだ何も言ってきていなかった。
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“新築偽装”が引き渡し後に露見
Aさんは住宅会社のB社に外装材の補修を要求するとともに、完成から1年以上たった住宅を新築として販売したことをとがめた。するとB社は、「当社の社内規定では完成後2年以内なら新築です」と返答した。
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着工遅れは誰のせい?マンション住戸の全面改修
現場担当者は「この状況では予定通りに工事を始めることができません」とBさんに告げた。自分が責められていると感じたBさんは、「悪いのは私だと言いたいんですか」と機嫌を損ね、現場は険悪な雰囲気になった。
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「耐震性最高の家が、なぜ壊れたんだ」
2008年6月の岩手・宮城内陸地震で、Aさんが住む地域は震度5程度の揺れが生じた。近隣の住宅にはこれといった被害が見当たらなかったが、Aさんの自宅では外装材のタイルが剥落した。Aさんは大きなショックを受けた。
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「プライバシーを尊重しない工務店は信用できない」
戸建て住宅を新築する敷地で、工務店のA社の社員と下請けの職人が地鎮祭の準備をしていた。建て主はどんな仕事をしている人かと近隣住民に尋ねられた職人は、「お医者さんですよ」と答えた。建て主のBさんは少し離れた所にいて、この会話を聞いた。近隣の人に職業を知られたくなかったので「顧客の個人情報を第三者に漏ら…
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隣家の塀の傷を巡り、住宅会社を詰問
Aさんは自宅の建て替え現場を見に来たついでに、隣のBさん宅を訪ねた。付き合いの長い隣人に工事で迷惑を掛けていないか気になり、ご機嫌うかがいをしておこうと思ったためだ。現場は都市部の密集市街地にある。家にいたBさんは、いつになくよそよそしい態度だった。Bさん宅のブロック塀の一部には、ごく最近補修を受け…
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リフォーム顧客の本音がショールームで露見
マンションに住むAさんは、約1200万円を掛けて専有部分を全面リフォームすることにした。重視した設備の1つがシステムキッチンだ。カタログを見て、採用する製品の候補を2つに絞り込んだが、最終的な決断がなかなか付かなかった。2種類の製品の色は同系色で、微妙に違っていた。また、どちらも数百万円レベルのグレ…
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太陽光パネル設置で住宅の壁に傷、「慰謝料請求したい」
30歳代の住まい手のAさんは、太陽光発電パネルの設置工事で付いた傷のことで、工事を手掛けたB社に不満を抱いた。B社側が無償で補修すると申し出た後も、慰謝料の請求を考えたほどだった。
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サービスの良い大工だと思ったが…
B工務店の大工が、施工中のあるときAさんに「手すりがあれば生活が楽になるよ。取り付けてあげようか」と話しかけた。Aさんはなるほどと思い、「お願いします」と口頭で返事をした。後日、B工務店からAさんに請負代金の請求書が届いた。そこには手すり一式の費用が追加され、金額は約240万円に増えていた。
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火災警報器がきっかけで不払い危機に遭ったリフォーム会社
リフォーム会社のA社は、戸建て住宅の大規模な増改築工事を終えて、指定確認検査機関に完了検査を申請した。すると確認検査機関の担当者から、「消防法に基づいて住宅用火災警報器を設置したか」と質問された。
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壁紙の貼り替えをサービスしたのに…
残る1面の壁について、Bさんは当初、壁紙を含めてそのままでよいという意向だった。しかし壁紙は経年変化で退色している。ほかの2面に貼る壁紙を同色にしても、Bさんが生活するうちに見た目の違いを気にするようになるのではないかとAさんは懸念した。そこで、「残りの1面の壁紙もついでに貼り替えましょう。こちらは…
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「あの位置ではダメ」と住宅の窓に不満
Aさんは妻面の窓が見えないと言って怒り出し、「要望通りの設計に直せ」と住宅会社に求めた。「路上から見えるのにどういうわけだ」とBさんは困惑した。
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住宅設計者に伝えた要望はどこへ?現場で驚く建て主
内装工事中の自宅の新築現場を訪ねたAさんは、設置された設備機器や家具を見渡して驚いた。キッチンの食器棚などいくつかが、設計段階に出した要望と違っていた。
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「勝手な変更個所は再施工しろ」と建て主が要求
Bさんは施工中の現場を訪れてこの措置を知り、「図書の通りでなく、事前の説明もなかった工事は認められない」などと抗議。釈明に当たった設計担当のAさんは、品質向上のための措置であることや、仕様をすべて事前に図書に書き込むのは無理であることなどを訴えた。しかしBさんは納得せず、「ほかでも勝手な変更をしたの…
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リフォーム現場で負傷した依頼主、3週間後に怒る
Aさんが勤めるリフォーム会社はある年の夏、Bさん夫妻から自宅のリフォームを約1000万円、1カ月程度の工期で受注した。着工から約1週間後のある日、1階のリビングルームで、大工が床材を外して作業をしていた。様子を見に来たBさんが床下に転落し、左の足首を痛めた。
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「住宅の施工者を勝手に決めないで」
Aさんは実施設計の終盤に至ると、設計の完了を待たずに部材の仕入れや加工を始めておくようB工務店に指示した。施工の本来の発注者である建て主のCさんの了解はもらっていなかった。
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介護改修で「こんな手すりをだれが頼んだ」
退院して改修後の自宅に帰ったBさんから電話がかかってきた。トイレに設けたL形の木製の手すりについて、「こんな手すりを頼んだ覚えはない。病院のトイレと同じようにしてくれ」と訴える怒りの電話だった。
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「やり直さないと罰が当たるぞ」、建て主の親が一喝
職人たちが古井戸を埋め戻しているときのことだ。作業を見守るAさんの背後で、「作業をやめさせろ」と叱りつける声が響いた。声の主は、若夫婦の夫のほうの父親で60歳代のBさんだった。