「すまいダービー」の挑戦者はリフォームにシビア?
それでは、住まい手の多くが間違えてしまった(=「誤解」を招いた)のはどのような設問だったのだろうか。0点~3点までの低得点の選択肢を多くの人が選んだ【誤解】ゾーンに入った設問10題の中から、いくつかをピックアップしてみた。住まい手はどんな「誤解」をしていたのだろうか?
このゾーンで最も多いのは、リフォームのトラブルにまつわる設問(日経ホームビルダー編集の書籍「クレームに学ぶ建て主の本音」からの出題)だ。これは、知識を問うのではなくリフォーム経験者へのアンケートの結果を推論する設問となっている。その分、迷った回答者も多いのだろう。結果的に、次に紹介する3題(Q8~Q10)ではリフォーム経験者と「すまいダービー」の回答者が顕著に違う考え方をしていた。
b 10万円まで応じる(3点、81.1%)
c 100万円まで応じる(0点、6.7%)
d いくらでも応じる(0点、0.0%)
b 1割(10点、7.3%)
c 3割(0点、38.5%)
d 5割(0点、53.6%)
b 1割(10点、3.9%)
c 3割(0点、24.6%)
d 5割(0点、71.5%)
Q8は、リフォーム経験者の多くが「ほんのわずかな増額でも応じられない」と回答している(ただし、その割合は事前説明の有無で、ある場合25.8%、無い場合77.1%と大きな開きがある)にも関わらず、「すまいダービー」の回答者は8割以上が「10万円までなら応じる」を選んだ。
そうした違いは金銭面だけに限らない。ほかの工事もしておけばよかったと後悔しているリフォーム経験者は「1割」にすぎないが、「すまいダービー」の回答者は「5割」の人が後悔しているだろうと考えた。同じくQ3では、リフォーム経験者の「1割」が工事をお任せして失敗したと感じているのに対して、「すまいダービー」の回答者は「5割」が失敗したと感じているはずだと予測した。
「すまいダービー」の回答者はリフォーム未経験の人も含んでいるので、正解の数値と比べて、より未経験者の意見を代弁していると仮定できる。そうしたことから、リフォーム経験者と比べて未経験者のほうが、金銭面では事業者に寛大だが、リフォームそのものの出来ばえについてはシビアだといえそうだ。