中高層分野でも7割の実務者は木造建築に関心を抱き、商業施設に加えて医療・高齢者施設に対する利用意向が高い。日経BP社が運営する「日経不動産マーケット情報」「ケンプラッツ」の読者を対象とした調査でこんな結果が出た。調査を担当した日経BPコンサルティングの鈴木はるか氏がリポートする。
「構造決定」のキーマンは誰か?
日経BP社は、日経BPコンサルティングの協力を得て、中高層建築での木材の利用拡大について、現状と将来の課題を明らかにするアンケート調査を行った。日経BP社が運営している「日経不動産マーケット情報」「ケンプラッツ」の購読者または登録者のうち、デベロッパー、ゼネコン・サブコン勤務者にアンケートへの協力を依頼、142人が回答した。主な内訳は、デベロッパー37人、ゼネコン・サブコン94人である。
- 【調査目的】
- 不動産の発注や企画・開発、設計・施工に携わる専門家が、中高層建築における木材の利用についてどのようなイメージや利用意向を持ち、普及への課題をどう認識しているかを把握する。
- 専門家によるCLT(直交集成板)/不燃木材/木質耐火部材の認知・イメージを把握する。
- 【調査項目】
大分類 問番号 回答者プロフィル Q1 不動産の発注、管理、企画、設計・施工への関わり Q2 業種 Q3 勤務先所在地 Q4 従業員数 Q5 取り扱い不動産1件あたりの資産規模平均 Q6 役職 Q7 現在の業務内容 Q8 現在取り扱いのある/今後取り扱いたい建築物の種類 Q9 【自由意見】Q8「その他」の具体的記述 Q10 不動産の構造決定権者/回答者の立場 Q11 勤務先での構造選定関与 業務上の課題 Q12 業務上の課題 Q13 2015年6月の建築基準法改正の影響 中高層建築での木材
採用のイメージ・意向Q14 不動産開発における重視点 Q15 中高層建築での木材採用のイメージ(木造/木質) Q16 中高層建築で採用したい構造 Q17 【自由意見】Q16「その他」の具体的記述 Q18 中高層建築における木材の利用意向 Q19 【自由意見】Q18「構想がある」建築物の具体的内容 建材の採用経
験・イメージQ20 CLT/不燃木材/木質耐火部材の採用経験・採用意向 Q21 CLT/不燃木材/木質耐火部材への感想や今後の採用意向の理由 Q22 CLTのイメージ Q23 木質耐火部材のイメージ 木材利用の今後
の展望と課題Q24 中高層建築での木材利用促進に役立つこと Q25 中高層建築での木材利用促進の課題・懸念 Q26 【自由意見】中高層建築での木材利用についての意見・感想や行政への要望 - 【調査対象】
- 日経BP社が運営する各種媒体のうち、以下の3グループ
- 「日経不動産マーケット情報」の購読者
- 「ケンプラッツ」登録者のうち、「デベロッパー」勤務者
- 「ケンプラッツ」登録者のうち、「ゼネコン・サブコン」勤務者(土木系を除く)
- 日経BP社が運営する各種媒体のうち、以下の3グループ
- 【調査方法】
- インターネット調査(日経BPコンサルティングのWEB調査システム「AIDA」を使用)
- 【有効回答数】
- 142件(内訳)
- 「デベロッパー」 :37件(26.1%)
- 「ゼネコン・サブコン」:94件(66.2%)
- 142件(内訳)
- 【調査時期】
- 2015年3月下旬~4月上旬
「回答者のプロフィール」、「建物の構造決定にどのように関与しているか」をまとめると、回答者の65.5%は構造の決定権が「設計者」にあるとした。また回答者自身の79.5%が構造決定に何らかの形で関与しており、うち21.8%が決定権を持っていると回答した。