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 国際ファシリティマネジメント協会(IFMA)社長兼CEOのデービッド・J・ブレディ氏に対するインタビューで、最終回の今回は、FMが、今後、建築界で職業的な受け皿になるかどうかについて尋ねた。

:日本では、経済成長下で増えてきた建築家、あるいは関係するエンジニアが過剰になりつつある。その受け皿として、ファシリティマネジメント(FM)という職能に期待する向きもある。

ブレディ:まず、最初に指摘したいのは、日本の経済が悪くなる前に米国がそれを経験済みで、米国には職のない建築家、エンジニアがたくさんいることだ。そして、幸運にも、ある人たちは自分に足りない分野の知識を吸収して、ファシリティマネジャーの認定資格を取った。そうでない人は失業の危機にある。だから、日本でも潜在的には、建築、あるいはエンジニアリングの専門家がFMの世界に移動することはありそうなことだ。

 しかし、そのためにはIFMAや、日本ファシリティマネジメント推進協会(JFMA)のような団体が、その人たちのために手を貸す必要がある。建築のことについてはどんなに知識があっても、ITやファイナンシングについての知識はないからだ。IFMAやJFMAがプロとしての養成プログラムを持つことが重要だ。よい建築家であることと、よいファシリティマネジャーであることは別のことなのだから。

 建築家ではないが、会計士だった人が、ある時、雇用主から、「君は今日からファシリティの責任者だ」と言われた。彼は何をすべきなのかまるでわからず、友達に相談したあげく、IFMAを見つけた。我々は、FMに必要な専門分野に焦点を当てた教育をしているし、関係のある話題に関する、例えば、危機管理、エネルギー・コントロールなどについてのワークショップをやっている。

ブレディ:我々がいま、やろうとしているのは、特に北米でだが、ほかの分野の専門家と協力して、大学へ行ってFMのプログラムを立ち上げるということだ。現時点では、全米の大学で公認されたプログラムが7つある。1年とか、一定の期間、授業をとれば、資格を与えられるすばらしいコースだ。我々は、それで実務をやるために十分だなどとは考えていないが、それでもいいことだと思うから支持している。だから、質問に対する答えは、はっきりとイエスだ。我々は、FMを確固としたプロフェッションとするためにも、よりよいマーケッティングが必要だと考えている。おそらく同じことが日本でも起こってくるのではないか。

 実際には、大学に入る以前、高校の段階から、学校にカウンセラーが派遣して、FMというプロフェッションがあるということを認識してもらう必要がある。米国では、ここ2~3年になって、政府がFMをプロフェッションとして公式に認めるようになった。それが我々にとって、高校を訪れて、「ほら、FMというプロフェッションがあるよ」と言うための最初のステップなのだ。これはたいへん重要だ。我々の将来を切り開かなければならない。我々には、そうした若い人材がこのプロフェッションに入ってきてくれることが必要なのだ。

Q:JFMAとIFMAは、双方のファシリティマネジャー資格の相互認定をしている。日本のファシリティマネジャーが米国に行って、そのまま通用するか。

ブレディ:通用する。両国の認定ファシリティマネジャーの基本的コンセプトは共通だ。実際、米国の日本系企業で立派にやっている人がたくさんいる。そして、JFMAとIFMAは、互いにこういう人たちの便宜を図る役割もある。