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 神戸芸術工科大学教授の岡部憲明氏(岡部憲明アーキテクチャーネットワーク代表)が、特急電車「ロマンスカー」の外観と内装の設計を再び手がけることになった。小田急電鉄が9月20日、新型車両「ロマンスカー・MSE」の開発計画とともに明らかにした。岡部氏がロマンスカーを設計するのは、2005年3月に営業運転を開始したロマンスカー・VSEに引き続き2度目だ。

岡部氏が設計したロマンスカー・MSEの外観
岡部氏が設計したロマンスカー・MSEの外観。「フェルメール・ブルー」をベースに、ロマンスカーのシンボルカラーである「バーミリオン・オレンジ」の細い帯を付けた (資料:小田急電鉄)

 新型車両のMSEは、有料特急として初めて地下鉄に乗り入れ、都心部から町田・相模大野方面に帰宅する通勤客を主なターゲットとしている。完成は2007年9月、運転開始は2008年春の予定だ。車両は6両編成と4両編成の2種類を製造し、両者を連結して走らせる。愛称のMSE(Multi Super Express)は、長編成から短編成までマルチな運用をこなすという意味から名付けた。

 10両編成にした際に、両端が流線形、2編成の連結面が非流線形となるようにデザインした。編成は2種類の“顔”を持つことになるが、統一感を持たせるために、非流線形の面にも丸みを持たせた。車体の側面の上部と下部を切り返しとし、光が当たったときに輝く直線が浮き上がるようにした。押し出し成形アルミを採用することで、可能になったデザインだ。

流線形、非流線形それぞれの先頭部分
流線形、非流線形それぞれの先頭部分。2つの顔に違和感が生じないように岡部氏が最も力を注いで設計したデザインだ。非流線形の面同士を連結し、10両編成にして運行する (資料:小田急電鉄)

 車体の色は青。17世紀にオランダで活躍した画家のフェルメールが作品で使用した「フェルメール・ブルー」を採用した。岡部氏は、「暗いトンネルを走るのに、どういう色彩がよいか検討した。空や海を連想させ、地下でも映える青色を選んだ」と話す。

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