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土間の奥の吹き抜け空間から、庭を望む。樹木には小鳥の巣が。5mほどの奥行きの小さな庭に、効果的に自然を取り込んだ
土間の奥の吹き抜け空間から、庭を望む。樹木には小鳥の巣が。5mほどの奥行きの小さな庭に、効果的に自然を取り込んだ

 スリッパに履き替え、のれんをくぐって土間に入ると、奥に見える北側の庭からは樹木に反射した柔らかい光が差し込んでいた。1階北西のバスルームや、2階の北側に位置する部屋からも、庭を眺めることができる。西陣織が張られた天井、京焼のタイルが埋め込まれた壁、漆塗りの床など、職人との協働によるしつらえは落ち着いた印象だ。地場建材や伝統技術の活用も設計条件の1つ。

 一方で、キッチンや洗面所などの水まわりは現代的。京都らしさや伝統技術にこだわりつつも、想定したライフスタイルはあくまで今風だ。

2階の部屋から格子を通して外を見る。床には京北産の檜を使用している
2階の部屋から格子を通して外を見る。床には京北産の檜を使用している

京都まちなかこだわり住宅の図面(資料:都市居住推進研究会)
京都まちなかこだわり住宅の図面 資料:都市居住推進研究会

 建て売りを前提としているため、間取りに自由度を持たせることを心がけた。「道路から敷地の奥へ伸びる3枚の大きな壁を中心に計画した。床の架け方を変えたり、建具を開閉したりすることで、自由な間取りが可能だ」(池井氏)。原案では、3枚の壁に準耐火材認定を受けた集成材壁柱を採用した。子供の独立に伴って建物の東側のみを取り壊すといった変更も可能だ。ただし、京都市から壁柱の利用許可が下りず、中央の1枚を除く2枚の外壁を在来木軸工法に変更して対応した。

<プロジェクトの概要>
名称:京都まちなかこだわり住宅
所在地:京都市東山区三条通北裏白川筋西入石泉院町404-2
最寄り駅:京都市営地下鉄東西線・東山駅
敷地面積:123.69m2
延べ床面積:131.3m2
階数:2階+ロフト階
設計者:魚谷繁礼、正岡みわ子、池井健
施工者:建都住宅販売
問い合わせ:京都市景観・まちづくりセンター 電話:075-354-8701
※オープンハウスは7月15日まで開催

<訂正>  記事掲載時に「子供の独立に伴って建物の東側のみを取り壊すといった変更も可能だった」と記しましたが、「変更も可能だ」に訂正します。また「京都市から壁柱の外壁への利用許可が下りず……」の部分から「外壁への」を削除します。