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 長野県生コンクリート工業組合が、生コン施工現場の問題の解決を目指して県内の工事関係者を対象に実施したアンケート調査で、生コンへの加水や試験結果の改ざんなどの実態が浮かび上がった。問題の解決には現場関係者のモラル向上だけでなく、様々な関係者の協力が必要だと訴えている。

 過去3年以内に生コンへの加水行為を経験するか、目撃、伝聞した回答者は44%(364人)を占めた。自分の判断でコンクリートに加水した経験を持つ回答者は22%(183人)、他人の指示による加水の経験者は18%(152人)だった。

 加水する理由(複数回答)としては、「正規のスランプ(コンクリートの軟らかさ)では施工困難」(214人)、「打設効率向上」(154人)と、施工性の向上を挙げる回答者が多かった。その一方で、「正規のスランプにするため」という理由を挙げた回答者も92人に上った。

 このほか、コンクリートの強度、スランプ値などのテスト結果の改ざんは、回答者の6%(49人)が経験していた。生コンの練り混ぜから荷卸しまでに、規定(1時間半)を超える時間がかかった経験は27%(224人)の回答者が持っていた。規定時間超過の理由として最も多くの回答者が挙げたのは、「現場の準備の遅れ」(81人)だった。「現場までの運搬時間が長い」(27人)、「型枠ができていない」(10人)といった理由もある。

 こうした不適切な生コン施工の解決策としては、施工者のモラル向上(42人)、現場作業性を考慮した生コンの配合(31人)、現場での第三者のチェック(24人)などが挙がっている。

 同組合では品質管理監査会議(議長:長尚・元信州大学教授)が中心になってアンケート調査を実施した。対象は県内の建設会社、生コン関連会社、専門工事会社、建築設計事務所の各社員と工事発注を担当する公務員などで、823人が回答した。

 品質管理監査会議の長議長は調査について、次のようなコメントを寄せた。

 ──今回のように、外部からの告発もないのに 、生コン生産者だけでなくコンクリート工事に関係する者が自身の恥部を明らかにして、真剣に問題の解決を図ろうとする例は、様々な欠点・欠陥・不祥事が頻発している現在の日本にはなかったことだと自負している。コンクリート工事関係者の誰に責任があるかを追及するのではなく、全関係者の問題として、前向きな姿勢で取り組まなければならないと思っている。関係者も世間も温かい目で見守っていただきたい。

■生コンクリートへの加水経験

グラフはいずれも長野県生コンクリート工業組合のデータに基づいてKEN-Platzが作成
グラフはいずれも長野県生コンクリート工業組合のデータに基づいてKEN-Platzが作成

■経験したことがあるコンクリートのテスト結果の改ざん
(上位3項目)


■不適切な生コン施工の解決策
(10人以上が挙げたもの)

※ワーカビリティー:コンクリートの施工性の良さを表す性質
"※ワーカビリティー:コンクリートの施工性の良さを表す性質