建築史として黒川氏の業績を振り返ると、メタボリズムが最初に浮かんでくる。ただ、メタボリズムの理論自体は、黒川氏が始めたわけでも、その活動の中心だったわけでもない。あれは建築評論家の川添登氏が仕掛けたもので、内実は1冊の本で表現されたものにすぎなかった。その本を見ると、実は黒川氏のアイデアはそれほどメタボリズムらしい内容ではない。メタボリズムの概念を一番正確に表現していたのは菊竹清訓氏だった。
この記事は有料会員限定です
日経クロステックからのお薦め
あなたの専門知識や経験を生かして、「日経クロステック」の記事や書籍の企画、取材・執筆・編集を担う編集記者(正社員)にトライしませんか。編集の経験は問いません。コミュニケーション能力が高く、企画力や実行力があり、好奇心旺盛な方を求めています。