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 千葉県のJR市川駅南口前の再開発区域で清水建設JVの手がけている超高層分譲マンションの工事が、鉄筋不足の発覚によって中断している。建て主で分譲主の三井不動産レジデンシャル、野村不動産、清水建設は11月5日、再開発発注者の市川市に対し、施工ミスで鉄筋の量が設計図書で定めた量よりも少なくなったことなどを報告した。施工者でもある清水建設は11月7日に同社のウェブサイトで鉄筋不足を発表し、遺憾の意を表明した。

 施工が中断しているマンションは「I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス」。鉄筋コンクリート造で地上45階・地下2階建て、延べ面積は約8万6500m2だ。住戸数は573で、すでに完売している。設計と工事監理は日建設計、施工は清水・戸田・五洋・上條・京葉都市開発JVが手がけている。施工期間は2005年10月~09年1月末の予定だ。

 設計図書によると、25階から30階までの柱には、鉄筋が縦方向に22本必要なものと20本必要なものとがある。清水JVは22本必要な柱にも20本しか入れていなかった。原因について建て主3社は市川市への報告書で、「施工担当者が設計図面との十分なチェックを怠った」などと説明した。「意図して鉄筋を減らしたわけではなく、単純なミスだと聞いている」と、市の江原孝好・市川駅南口再開発事務所所長は補足する。

 日本建築センターが建築確認・検査と、住宅品質確保促進法に基づく性能評価業務を担当している。10月11日、同センターが性能評価業務の一環である現場検査で鉄筋不足を発見して建て主3社に知らせることで、問題が表面化した。

 建て主3社は市川市への報告書で、柱のコンクリートをはつって鉄筋を追加する補修を行って設計図書どおりの建物にすること、竣工の延期はいまのところ考えていないことなどを表明した。補修工事の着工時期は未定だ。市の江原所長は、「マンションの低層部には市立図書館が入居するので、その観点からも竣工の延期は避けたい」と話している。

施工中の「I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス」。工事は30階の躯体で中断した(写真:KEN-Platz)
施工中の「I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス」。工事は30階の躯体で中断した(写真:KEN-Platz)

市川市が公表した建て主3社からの報告書の一部。25階~30階の柱のなかに、鉄筋不足のため補修を必要とするものがあることを示している。25階~29階では各階に12カ所、30階では4カ所だった(資料:三井不動産レジデンシャル、野村不動産、清水建設)
市川市が公表した建て主3社からの報告書の一部。25階~30階の柱のなかに、鉄筋不足のため補修を必要とするものがあることを示している。25階~29階では各階に12カ所、30階では4カ所だった(資料:三井不動産レジデンシャル、野村不動産、清水建設)