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 改正建築基準法が建築実務者の“やる気”を奪っている。改正法の施行を契機に会社を辞めたいと思うことがあるかどうかをアンケートで質問すると、「よくある」と「たまにある」の合計は61%に上った。


 改正法への対応で疲弊し、就業意欲を低下させている建築実務者の姿が浮かび上がる。以下、法改正後の環境変化などについて、回答者のコメントを紹介する。

※各コメント末尾のカッコ内は回答者のプロフィル。A.勤務先/B.主に手かげている建物の種類/C.主たる業務/D.勤務先の従業員数

どう家族を支えればいいか
 確認申請手数料が高くなり、図面の記載も多くなり、設計料は下がる一方、仕事をやればやるほど赤字になり、いまさら再就職もできず、これからどう家族を支えればいいか心配。
(A.建設会社/B.戸建て住宅(四号建築物)/C.意匠設計/D.4~10人)

給与が時給換算で新入社員並みに
 勤務先は大手設計事務所であり、法改正により、確かなところに仕事を頼みたいという趣旨で仕事の話は増えている。しかしながら人員の限界から受注しきれないのが現状である。仕事の数が増えても、個人的には時給換算での給与が世間の新入社員並みになっており、職業としての建築設計が社会的に成立し得ない状況になっているのではないかと思っている。今後半年程度で、そのあたりを見極める予定である。
(A.建築設計事務所/B.非住宅/C.構造設計/D.100人以上)

悪循環が怖い
 今後、懸念していること。確認の停滞で仕事も止まり、入金が遅くなる→仕事の意欲が低下する→ミスが生じる→耐震偽装だと疑われる→廃業。
(A.建築設計事務所/B.集合住宅/C.意匠設計/D.4~10人)

先の見通し持てず、つらい
 職場の雰囲気が暗くなった。若い人も将来に希望が持てない。自分自身、忙しくなったことよりも先の見通しが持てないことのほうがつらい。
(A.建築設計事務所/B.非住宅/C.構造設計/D.100人以上)

優秀な人材が他の業界へ
 来年は息子が大学受験だ。親の私より成績がよく、かつては建築学科を目指して頑張っていたが、いまは迷っているようだ。一級建築士の受験者数を見ても、優秀な人材が他の業界へ流れているように思う。建築界の未来はどうなるのだろう。
(A.建築設計事務所/B.非住宅/C.意匠設計/D.1~3人)

作業は増えるのに人が減っている
 構造計算にかかる作業時間が増えているにもかかわらず、実際に構造計算に携わる人の数は減りつつある。今後も建築士法の改悪によって、若い技術者の増加は期待できないので、いつまで会社を存続させることができるか問題だ。
(A.建築設計事務所/B.非住宅/C.構造設計/D.1~3人)

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