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 奥村組が老人ホーム(大阪市阿倍野区)の鉄筋の施工ミスに設計変更で対処し、計画変更の確認を申請しないまま竣工させていたことがわかった。当初の設計図書どおりの建物にするため、このほど一部の再施工に着手、7月ごろまでに完了させる予定だ。

 大阪市などによると、問題の建物は老人ホームを主な用途とする鉄筋コンクリート造8階建てのビルで、施工を奥村組が手がけている。施工中、1階の柱27本のうち2本で、28本必要な主鉄筋のうち20本しか正しく施工していないことがわかった。奥村組は鉄筋不足の柱を補強した。当初の設計とは異なる構造になり、計画変更の確認手続きが必要になった可能性があるが、工事関係者は設計変更について確認検査機関の建築検査機構(大阪市)に相談しなかった。建築検査機構は、設計変更を知らないまま2008年2月に完了検査済み証を交付した。

 奥村組広報課によれば、現場所長は鉄筋の施工ミスを鉄筋工事会社からは知らされず、後に圧接工事会社の指摘で知ったが、本社に報告しなかった。奥村組の本社は、竣工後の3月に第三者からの投書をきっかけとして事態を把握し、発注者のトーワ産業(大阪府門真市)や大阪市に報告した。

 問題のビルは民間建築だが、市が推進する阿倍野再開発事業の一環で、約1億3000万円の補助金(市街地再開発事業費)が支給されることになっている。市は、当初の設計図書どおりの建物でなければ補助金を支給しない方針だ。奥村組は施工のやり直しに着手した。

 市によると、ビルの設計・監理者は空間計画研究所(大阪市)で、延べ面積は約6150m2、総事業費は約12億1000万円だ。