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 ところが、である。東京に戻ってから竣工時の写真を調べてみると…。ガーン。なんと、竣工時からえぐられた形に仕上げてあるのである。


 恐るべし、村野藤吾。これは筆者のようなお調子者がやってくることを見通しての“ワナ”なのだ。

 しかし、もちろんそれは心地よいワナである。写真集を漫然と見ていても、そんなディテールがあることにはまず気が付かない。現地に行った人の数%がそれを発見し、さらにその中の数%が竣工時の写真を調べ、元からあったことに気付く。村野は現地を訪れた者だけに二度の発見のチャンスを与えているのだ。発見した者は興奮し、それを人に伝えずにはいられない…。

(写真:日経アーキテクチュア)
(写真:日経アーキテクチュア)

 偉そうなことを書いているが、もしかしたらこの建物、そんなワナがほかにもあるのかもしれない。我々が気付かなかったワナを探しに、小諸に足を運んでみませんか。

(イラスト:宮沢洋)
(イラスト:宮沢洋)