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 木造住宅の耐力壁に関して建築基準法は、構造用合板や筋交いといった耐力要素に応じて、壁倍率などの数値を仕様規定に定めている。しかし実際には施工や仕様によって、ばらつきが生じる場合もあると言われる。既存建物耐震補強研究会と線材メーカーの安田工業(東京都千代田区)は共同で、耐力壁で一般的な複数の仕様について、それぞれの違いを確認する公開実験を実施。このほど報告書をまとめた。

 実験は5月22日に実施した。耐力壁が2面連続する骨組みを3体つくり、耐力要素として、<1>30×90mm(三つ割材)の片筋交い、<2>45×90mm(二つ割材)の片筋交い、<3>厚さ9mmの構造用合板をそれぞれ取り付けて、せん断試験を行った。報告書によると、試験結果を壁倍率換算すると、三つ割材と二つ割材の片筋交いはそれぞれ、建基法仕様規定の数値を下回り、構造用合板は上回った。

三つ割材の片筋交いを入れた試験体は、筋交いを入れた欠き込んだ間柱にクギ留めしていたが、大きく曲がって抜けた。三つ割材は折れなかったが、二つ割材の場合はより厚かったためか、層間変形角100分の1で一方の筋交いが挫屈して折れた(写真:既存建物耐震補強研究会)
三つ割材の片筋交いを入れた試験体は、筋交いを入れた欠き込んだ間柱にクギ留めしていたが、大きく曲がって抜けた。三つ割材は折れなかったが、二つ割材の場合はより厚かったためか、層間変形角100分の1で一方の筋交いが挫屈して折れた(写真:既存建物耐震補強研究会)

 上の写真は<1>の三つ割材を片筋交いに使った試験体。「三つ割材は、層間変形角(柱の角度)が75分の1に達したところでボックス金物から1本の筋交いの端部が外れ、逆方向の変形に抵抗できなくなった」。同研究会の保坂貴司代表はこう解説する。

 二つ割材の片筋交いも、三つ割材と同様に壁線から大きくはみ出し、いずれも筋交いを間柱に留めたクギが抜けて、ボックス金物も外れた。「筋交いには、折れ曲がりを防止する何らかの方法が必要なことを確認できた」と保坂代表は語る。

 詳しくは、日経ホームビルダー8月号「使えるニュース」で紹介しています。