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 安藤忠雄氏の建築展「挑戦─原点から─」が東京・乃木坂のギャラリー・間で、10月3日から始まった。会期は12月20日まで。入場無料。

 今回の展覧会の目玉は、安藤氏の初期の代表作である「住吉の長屋」(1976年)の原寸展示。ギャラリー・間に行ったことのある人は、展示スペースの大胆な使い方に驚くはずだ。ギャラリー・間といえば、3階の屋外スペースをどう展示内容に組み込むかが建築家の腕の見せ所なのだが、本展では、3階屋内展示室と屋外スペースを仕切るガラス面をいったん撤去。屋内外を貫通する形で「住吉の長屋」の原寸模型を設置している。

 「模型」といっても、張りぼてではない。壁は、コンクリート打ち放しの風合いを模した合板パネル。2階に向かう階段は、実際にコンクリートを打設してつくった。一般の来館者は安全管理上、立ち入り禁止だが、2階にも人が上がることができる頑丈なつくり。すべて原寸なので、「住吉の長屋」の肝とも言える「中庭」のスケール感や空の抜け方、居室の天井高、足元のディテールなど、写真ではなかなか分からない設計の妙を体感するチャンスだ。

 安藤氏はオープン前日の報道関係者との懇談会で、「住吉の長屋ができたときには、『雨が降ると、隣の部屋に行くのにもズブ濡れになる』と、ずいぶん評判が悪かった。特に、東京の人の評判が悪かった。そんなにひどいものか、(今回の展覧会で)実際に体験してみてほしい」と、笑いながら語った。

 この原寸模型以外にも、コンクリートでつくった「光の教会」(1989年)の巨大模型や、「アブダビ海洋博物館」(アラブ首長国連邦、計画中)をはじめとする海外で進行中のプロジェクトの模型などが展示されている。

■安藤忠雄建築展
会期:10月3日~12月20日
開館時間:11時~18時(金曜のみ19時まで)
休館日:日曜、月曜、祝日(ただし10月26日、10月27日、11月2日、11月3日は開館)
会場(所在地):TOTO乃木坂ビル3階(東京都港区南青山1-24-3)
入場無料


原寸で再現した「住吉の長屋」の中庭に立つ安藤忠雄氏(写真:日経アーキテクチュア)


3階屋内展示室から屋外展示スペースを見る。いつもはガラスで仕切られている部分に「住吉の長屋」の1階が貫通している(写真:日経アーキテクチュア)


屋外展示スペースに再現された「住吉の長屋」の中庭。左の階段は実際にコンクリートを打設してつくった(写真:日経アーキテクチュア)


4階の屋内展示室からは「住吉の長屋」の2階部分が見える(写真:日経アーキテクチュア)


「住吉の長屋」の原寸展示の前で語る安藤氏。壁は合板パネルだが、張りぼてという印象はない(写真:日経アーキテクチュア)


今回の展覧会のもう一つの目玉、「光の教会」のコンクリート模型。3階屋内展示室に置かれている(写真:日経アーキテクチュア)


4階展示室には海外プロジェクトを展示。写真はその一つ、アラブ首長国連邦で計画中の「アブダビ海洋博物館」(写真:日経アーキテクチュア)