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 2005年度に打ち切られた住宅用太陽光発電システムの設置にかかわる国の補助金制度が、今年度の補正予算で復活した。福田康夫前首相が低炭素社会を実現するために提唱した「福田ビジョン」などを受けたもので、太陽光発電設備の普及・促進を目的とする。

 「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」の補正予算額は90億円。補助額の基準は1kWに対して7万円程度だ。住宅1戸当たりの発電量を3~4kWとすると、補助金は1件につき20万~30万円程度となる。上限額は検討中だ。今年度内に約3万5000件の実施を目指している。

 2004年度の補助金が1kW当たり4万5000円、2005年度が同2万円だったことを考えると、今年度の同7万円はかなり手厚い支援といえる。この事業の今年度の窓口は有限責任中間法人太陽光発電協会となる。今年中に手続きや受け付け方法、審査基準などの詳細を明らかにする予定だ。

 経済産業省資源エネルギー庁の迫田章平氏は、「来年1月の国会に向けた来年度の概算要求では、この事業に238億円を計上する」と話している。さらなる住宅用太陽光発電システムの普及に拍車をかけていく格好だ。

 国内における家庭での太陽光発電量は約140万kW(2005年時点)。国は補助金制度の復活で、2020年には2005年の10倍となる1400万kW、さらに2030年には5300万kWまで発電量を引き上げたい考えを示している。なお、国の補助金に併せて、自治体で独自に実施している各種の補助や融資などを受けることは、自治体側に制限がない限り可能だ。

 一方、東京都でも来年度から、太陽エネルギー利用拡大のための新事業を実施する。支援の特色は、太陽光発電システムなどの「もの」に補助金を出すのではなく、太陽エネルギー利用によるCO2削減分を環境価値ととらえ、その「価値」の10年分に対して補助金を交付することだ。「価値」の評価はグリーン証書を発行して、CO2の削減効果を目に見えるかたちにする。

 補助金制度の対象は、太陽光発電システムだけでなく、太陽熱ソーラーシステムや太陽熱温水器も含まれる。補助の目安は、太陽光発電システムの場合、3kWで30万円になる。

 東京都環境局環境政策課の小原昌氏は、「都の事業は環境価値に対する補助なので、都内の市区町村が実施している、設備機器などを対象とした補助や融資と併せて実施できる」と説明する。例えば、2008年10月時点で独自に補助を実施している都内の自治体を挙げると、足立区の1kW当たり7万円(上限30万円)、府中市の1kW当たり4万円(上限12万円)などがある。これらの補助金に上乗せして都の補助も受けることができる。

 都の補助は2009~2010年度に実施する。予算規模は90億円。2年間で4万世帯の普及を目指す。今年中に補助金交付要綱を完成させ、来年3月までに事業体制を構築、4月1日から事業を開始する予定だ。


●国と東京都の補助金制度の予定

     東京都
補助の対象 住宅用の太陽光発電設備 住宅用の太陽エネルギー利用機器・設備
機器の種類と補助額 1kWの性能に対して7万円程度(設備機器は一定の基準を設ける)。上限額は検討中 太陽光発電システム:30万円(3kW)、太陽熱ソーラーシステム:20万円(6m2)、太陽熱温水器:3万円(4m2)。上限額は検討中
窓口 有限責任中間法人太陽光発電協会 東京都地球温暖化防止活動推進センター(現時点での問い合わせ先は東京都環境局環境政策課)