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 「心に安らぎを与える」「冷静」などのイメージから、心理的作用が期待できるとして防犯目的で全国各地に設置されている青色照明が、鉄道各社にも広がりを見せている。2006年12月から事故・自殺防止対策として青色照明を導入したJR西日本の踏切では、設置以降、夜間の事故や飛び込み自殺がゼロになった。省エネや不正乗車対策として青色照明を取り入れるところもあり、目的は多岐にわたる。

 青色照明の効果については因果関係がはっきりしないとして、慎重な見方もある一方で、現場にかかわる人々の期待感は小さくはなさそうだ。

導入は7社、事故・自殺防止目的が多数


 他社に先駆けて青色照明を導入したのはJR西日本だ。踏切を強引に通過する車や自殺者を防ぐため、2006年12月から阪和線や関西線など3線の踏み切り計38カ所に段階的に青色照明を設置した。その結果、点灯中の事故や自殺がなくなった。

 設置時期や数に違いはあるものの、同じ目的で青色照明を導入する鉄道会社は多い。JR東海は2008年8月から東海道線や中央線など3線の踏み切り計10カ所に青色照明を設置。今後、青色照明のない静岡地区にも導入の計画がある。また、JR九州は2008年12月から青色照明を試験的に導入し、半年間検証した上で本格的な設置について検討していく考えだ。

貨物を除くJR各社と大手私鉄16社の青色照明設置状況。2008年12月下旬から2009年1月上旬にかけてケンプラッツが調査した
貨物を除くJR各社と大手私鉄16社の青色照明設置状況。2008年12月下旬から2009年1月上旬にかけてケンプラッツが調査した
 
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 一方、京浜急行電鉄では、踏切ではなく駅のホームに青色照明を設置して飛び込み自殺を防止しようとしている。同社では全線で年間に十数件ある飛び込み自殺のうち、3件程度が横浜市南区の弘明寺(ぐみょうじ)駅で発生していることに着目し、2008年2月から同駅に青色照明を導入。設置以降の飛び込み自殺はなく、今後も検証を進めた上で踏み切りなどへの導入を検討していく。

弘明寺駅ホームに設置された青色照明 (写真:京急電鉄) 弘明寺駅ホームに設置された青色照明 (写真:京急電鉄)
弘明寺駅ホームに設置された青色照明 (写真:京急電鉄)


 事故や自殺の防止以外の目的もある。名古屋鉄道では、改札を通らずに車両に乗り込む不正乗車が後を絶たないため、2007年8月から2駅の改札と跨線橋の下に青色照明を設置した。JR四国は香川県宇多津町が防犯対策として行っている街灯の青色照明化を受け、JR宇多津駅の蛍光灯を青色に替えた。

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