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 東京都は2009年1月9日、大手町や丸の内など皇居周辺の景観を保全する内容を盛り込んだ景観計画の変更素案に対して、意見募集を始めた。江戸城内堀を中心にした区域と、周辺の外堀を含む区域で、建物の高さや色の基準を設ける。区域内に6カ所の「眺望点」を定め、それぞれの眺望点からの建物の見え方を、デザインの評価対象とする。1月22日まで意見を募集し、09年4月の改正・実施を目指す。

 皇居を中心とした半径2km程度を都景観計画上の「景観誘導区域」に定める。内堀を中心にしたA区域と、周辺を囲むB区域に分ける。A区域はさらに大手町・丸の内・有楽町(大丸有)地区、千鳥ケ淵地区など4つに区分し、計5区域それぞれに景観形成基準を設ける。例えば大丸有地区では、歴史的に31mの軒線が確保されている日比谷通りなどに面して建物を計画する際には高層部を壁面後退する、といった配慮を求める。

 東京都は2007年4月に景観条例を改正した。事業計画の初期段階から個別の協議や調整を図る「大規模建築物等の事前協議制度」を設けたのが特徴だ。事業者は景観シミュレーションや模型、色彩計画などを記載した事前協議書を都に提出する。都は必要に応じて景観審議会に諮問する。

 今回の素案では、対象地域に大丸有地区を含めたので、事前協議の届け出対象に、特例容積率適用地区制度を用いた事業を加えた。併せて、景観審議会が協議する際に目安とする、デザイン評価指針を設けた。事前協議の対象となる計画のうち、A区域内ではすべての、B区域内では、眺望点からの眺めに影響を与える計画をデザイン評価の協議対象とする。指針では「風格」「落ち着き」「端正さ」「快適さ」「にぎやかさ」の5つを、評価の観点とする。

 現行の景観計画では、大規模建築物等の事前協議制度は、以下の3種類の事業を対象にしている。1つ目は、総合設計制度を用いた事業で都が扱うもの。2つ目は都市計画決定を必要とする、高度利用地区、特定街区、都市再生特別地区、市街地再開発事業、再開発等促進区の各制度を用いた事業。もう一つは、景観計画で定める景観基本軸内や景観形成特別地区内における、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業や鉄道駅構内等開発計画などの事業だ。