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 仕事を別にする建築設計者や異業種の事務所と一つのオフィススペースで同居する――。東京の都心部に事務所を構える若手建築家にとって、オフィスコストの負担を軽減できる「シェアオフィス」が一つの解決策となっている。仕事面の交流や刺激も意識して、同居人を選んでいるようだ。

 例えば建築設計白川冨川。同事務所は中央区東日本橋の築約40年のオフィスをシェアオフィスに改装して、建築カメラマンの阿野太一氏、イラストレーターの横山博昭氏と同居している。105m2のスペースの約3分の1をレンタルスペースにしている。

 白川在氏と共に同事務所を主宰する冨川浩史氏は、世田谷区奥沢の自宅マンションにオフィスを併設して独立。東日本橋の自宅マンション兼オフィスを経て、2007年8月に現在のシェアオフィスを開設した。冨川氏は「仕事で交流のある異業種の人とのシェアを前提に現在の物件を探し、改修費用の全額を負担した。家賃の過半はシェア相手に負担してもらっている」と語る。

 トラフ建築設計事務所は品川区小山にある築31年のオフィスを、グラフィックデザイナーの山野英之氏とシェアしている。元はオーディオ製品などを製造する工場だったスペースの2階の1フロアを借りた。「シェア相手だけでなく、1階に入居する家具デザイナーの藤森泰司氏とも仕事の交流を持っている」(トラフの禿真哉氏)。

 清水勝広氏が代表を務めるMS4Dは、品川区西五反田にある築39年の町原ビルの4階でシェアオフィスを運営している。シェア相手は、インテリアデザイナーやイラストレーターだ。同事務所も直接のシェア相手だけでなく、他のフロアとの交流を意図している。

 町原ビルの1階から4階は、ウェブ制作会社のA.C.O. が一括で借り上げてテナントを募集した。1階と2階にA.C.O.が、3階にはデザイン制作や編集、システム開発などを手掛ける会社がそれぞれ入居。異業種協業によるデザイン分野のワンストップ(一括提供)サービスを目指している。

 一方、ブリコルールは築40年を超える木造住宅を改装し、他の建築設計事務所と同居している。同事務所を主宰する川田健太郎氏は「事務所を開業するに当たって、家主と交渉して大がかりに改装して2003年に入居した。自分たちの1つ目の作品として設計した」と振り返る。

 単独オフィスも含め様々な事務所形態を経験してきたMS4Dの清水氏は、「シェアオフィスから巣立つタイミングやその方法も重要だ」と指摘する。

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■シェアオフィス:仕事を別にする建築設計者や異業種の事務所と一つのオフィススペースで同居する形態

MS4Dが入居する町原ビルの外観と事務所の内観(下の写真)。同ビルの4階でシェアオフィスを運営し、1~3階に入居する他の事務所との交流も意図している(写真:同事務所)
MS4Dが入居する町原ビルの外観と事務所の内観(下の写真)。同ビルの4階でシェアオフィスを運営し、1~3階に入居する他の事務所との交流も意図している(写真:同事務所)

(写真:MS4D)
(写真:MS4D)

芦沢啓治建築設計事務所の外観と内観(下の写真)。芹沢氏の妻が経営する花屋と同居している(写真:同事務所)
芦沢啓治建築設計事務所の外観と内観(下の写真)。芹沢氏の妻が経営する花屋と同居している(写真:同事務所)

(写真:芦沢啓治建築設計事務所)
(写真:芦沢啓治建築設計事務所)