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19階から組み立て手順を変更

 なぜ、柱の接合部にグラウト材を充てんし忘れたのか――。施工ミスの背景には、竹中工務店が18階以下と事故が起きた19階以上とで、PCa部材の組み立て手順を変えたことが挙げられる。

 同社は当初、以下のような手順で施工していた。まず、工場で製作した柱をクレーンで建て込む。次に、柱の上に梁を建て込んで、位置などを調整する。最後に、柱の下端の接合部にグラウト枠を取り付けて、6本ある主筋の継ぎ手と接合面にグラウト材を同時に充てんする(下の図参照)。

(注)取材を基にケンプラッツが作成
(注)取材を基にケンプラッツが作成

 しかし、同社は19階以上の手順を以下のように変更した。まず、柱を建て込み、2本の主筋の継ぎ手だけにグラウト材を先に充てんする。さらに、グラウト枠を取り付ける。次に、梁を建て込んで位置を調整した後、残り4本の主筋の継ぎ手と接合面にグラウト材を充てんする。グラウト材の充てん作業が2回に分かれるが、柱を仮固定してから梁の位置を調整するので、安定して作業できる。

 事故が起きた柱の接合部は、2回目のグラウトの充てん作業をしていなかった。作業手順が変わったことに加え、作業員の連絡ミスも重なったようだ。

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