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 浜松市は3月6日、建築確認に必要な市の公文書を偽造したとして、積水ハウス浜松支店の元社員だった49歳の二級建築士を静岡県警に刑事告発したと発表した。告発は2月25日付。

 問題となったのは、この建築士が確認申請の代理業務に携わった浜松市内の一般住宅6棟と集合住宅3棟、住宅展示場の住宅1棟の合計10棟だ。

 建築士は、積水ハウスの社員だった2007年4月から2008年8月にかけて、住宅が都市計画法に適合していることを示す市の証明書8通を偽造。確認申請書に添付して民間の確認検査機関に提出し、建築確認を受けていた。

 浜松市によると、建築士は別の証明書から必要な部分を切り張りして偽の証明書を作成し、コピーしたものを確認検査機関に提出していた。コピーの書類も認めていた確認検査機関は、偽造を見抜けなかった。

 さらに建築士は、確認検査機関が発行する確認済み証3通と、検査済み証2通も偽造していた。検査済み証を偽造した住宅2棟は、建築確認の手続きを一切しないまま、施主に引き渡していた。

 偽造が最初に発覚したのは2008年11月。住宅の担保価値を調べていた金融機関が、建築確認の内容を市に尋ねたことがきっかけだった。

 市の担当者は、建築士が以前、該当する住宅が都市計画法に適合するかどうかなどを市に何度も問い合わせていたことを記憶していた。建築士とのやり取りが途絶えていたにもかかわらず、住宅がいつの間にか完成していた。不審に思って証明書の発行履歴を調べたところ、正式に発行した証明書が存在しないことがわかった。

 市と積水ハウスは、建築士がこれまで建築確認の申請にかかわった住宅を中心に調査。証明書や確認済み証などの偽造が次々と明るみになった。

 既に完成した住宅も少なくない。積水ハウスは、建て替えなければならないような違反はないとして、検査済み証などを再取得した。「証明書は偽造しなくても取得できたはず。建築士の怠慢だった」と同社広報部は話している。同社は1月13日付で建築士を懲戒解雇した。

 積水ハウスは2008年7月にも、広島市で建築確認を申請しないままアパートを施工していたことが発覚したばかり。同社は今後、社内の責任者が申請書類の原本を確認するなどの再発防止策を強化する。

 浜松市も今後、申請書類のコピーではなく、押印した朱肉付きの原本をもとに確認するよう各確認検査機関に求める方針だ。