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 日建設計は、外気の冷却効果と室温上昇の抑制効果とを併せ持つ陶製のルーバー「BIO SKIN(バイオスキン)」を開発した。都内で計画するオフィスビルの建設プロジェクトでの導入を検討している。

 バイオスキンは、多孔質の陶製の管をすだれ状に配している。左右の端部で上下の管とつないだ陶管には、管の下部に水がたまるように調整しながら水を流す。下面を流れる水は、管の全周に浸透して管表面に到達。陶管表面から外部に蒸発し、気化熱の作用を使い外気を冷やす。

バイオスキンのモックアップ。国産の土を使った陶管をつないでつくった(写真:有川 滋男)
バイオスキンのモックアップ。国産の土を使った陶管をつないでつくった(写真:有川 滋男)

 陶管は、日本の土を用いて製造する。外部に水をまき散らさない技術なので、高層ビルなどでも導入しやすい。陶管に通す水には雨水を用いる。地下に設けた貯留槽にためた雨水を、太陽光発電で生み出した電力によって持ち上げて陶管に流す。

 日建設計は、北東面に向いた高さ120m、幅140mの大きさの壁面に、延べ約5万7000mに及ぶ陶管長を持つバイオスキンを導入したと想定。外皮や周辺の熱環境の変化をシミュレーションした。シミュレーションでは、1980年から2000年までの気象データを平均した際の最暑日の気象条件を利用。最暑日の条件は、午後2時時点の気温35.3℃、高さ65mでの風速0.58m/s、相対湿度48.2%だ。

 その結果、アルミ製のルーバーを用いた場合に比べて、表面温度が約10℃低くなった。さらに、表面から水が蒸発するルーバーによって冷やされた外気が下方に流入。建物付近の地上の温度も約2℃下がった。

 シミュレーションで検討した規模でルーバーを導入する場合、蒸発する水量は広さ約2万4000m2の森が生み出す蒸散量に相当した。

 バイオスキンは、ルーバーとしての日射遮へい性能に加えて、外気を冷却する効果を持つので、建物内部の温度上昇も効果的に抑制できる。シミュレーションで適用した建物のルーバーをアルミ製にした場合に比べて、空調で使用するエネルギー量を約3%削減できる見通しだ。

 さらに詳しい情報は、日経アーキテクチュア5月11日号のテクノロジーの欄で紹介しています。

<訂正> 日建設計からの申し入れにより、初出時の写真のクレジットを日建設計から有川滋男氏に訂正します。(2009年5月19日午後7時)