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建築家やデザイナーが手掛けた“デザインで魅せる”空間を、デザインキーワードでジャンル分けして紹介していく。そのキーワード「自然の翻案・地形的」の1回目は、世界的に活躍するデザイナーの吉岡徳仁氏がデザインしたクリスタル宝飾店だ。




スワロフスキー銀座


[東京・銀座/クリスタル宝飾店]


 クリスタル宝飾を世界展開するスワロフスキーの銀座旗艦店。国際指名コンペにより選ばれた吉岡徳仁氏は、デザインのコンセプトを「クリスタル・フォレスト」と設定し、「クリスタルの森に迷い込んだような、不思議な感覚を覚える空間デザイン」を試みた。

(写真:Swarovski Japan)

 店舗内の装飾用に3t以上のクリスタルを使用し、「美しさ、透明性、詩情」を表現している。また、独立式・壁掛け式のショーケースなどを工夫し、世界中の店舗で実現できるプランとなるよう、デザインのモジュール化に特に時間をかけたという。

 エントランスではまず、流れ落ちるクリスタルの滝のようなシャンデリアが出迎える。さらにその先に、ひときわ存在感を放つ階段室が待つ。ガラス製の踏み板の中にクリスタルを敷き詰め、下方から白色のLED により照らす仕掛けだ。単純にクリスタルに光を当てても、キラキラと輝く見え方にはならない。詰める厚みや光源との距離などを、原寸模型を使って厳密に実験してつくったものだという。

 床面のテラゾー(人造大理石)は、化石が埋め込まれたかのごとくクリスタルをちりばめた特注品。店内の照明に陰影があることにより、床の明暗の切り替わりの場所で、この素材がキラキラと光を放つ様子を感じることができる。

 さらに2階では、約2万8000個のクリスタルを使って流れ星をイメージしたインスタレーション「シューティングスター」に出会う。 高さ8m、幅9mのウインドーファサードも見ものだ。1500本近いステンレスミラーのレリーフが、街を行き交う人を引き付ける。ここには夜間、照明が当たらない。後付けの印象を与える照明器具は必要なく、銀座の夜の光を映し込むだけで成り立つと判断した結果だという。

このプロジェクトは、日経アーキテクチュアが編集したムック「Designers’vol.1 2009」で紹介しています

プロジェクトデータ
■SWAROVSKI GINZA
□設計者/吉岡徳仁デザイン事務所(吉岡徳仁) 
□設計協力者/照明コンサルタント:ライティング プランナーズ アソシエーツ
□所在地/東京都中央区銀座8-9-15 ジュエルボックス銀座1・2F 
□業種・業態/クリスタル宝飾店 
□発注者/DANIEL SWAROVSKI CORPORATION 
□施工者/建築:竹中工務店、内装:丹青社、UMDASCH Shop-Concept 
□面積/1階184.55m2、2階277.23m2 
□開業日/08年3月29日
■仕上げ
□外装/鉄骨組みステンレス鏡面仕上げ 
□床/モルタル金ごて下地 特注クリスタル封入テラゾー張り 壁/LGS組みPB下地 特注レリーフ仕上げ 同・階段室:合わせガラスt15+t15天井/LGS組みPB+AEP 同・階段室:光天井ファブリック張り 
□什器/スチールパウダーコート仕上げ、ステンレス鏡面仕上げ その他/階段:ノンスリップガラスt10+t10 クリスタル封入
■利用案内
□営業時間/11:00~20:00 
□定休日/なし 
□電話/03-3289-3700 


■デザイナー紹介

(写真:宮原 一郎)


吉岡 徳仁
よしおか・とくじん/ 1967年生まれ。倉俣史朗氏、三宅一生氏に師事後、2000年に吉岡徳仁デザイン事務所を設立。ISSEY MIYAKEをはじめ、エルメスやスワロフスキーなど世界中の企業とコラボレートしている。


[Designers’vol.1 2009 SPRING]では、吉岡徳仁氏が感動した「椅子」も紹介しています。ご購入ページはこちら

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