PR


建築家やデザイナーが手掛けた“デザインで魅せる”空間を、デザインキーワードでジャンル分けして紹介していく。そのキーワード「デザイナーズ・バー」の1回目は、インテリアデザイナーの森井良幸氏が設計したダイニング&バーだ。


 エントランスを入って、まず目を奪われるのは船の形をしたバーカウンターだ。店の中央に浮かんでいるように見える高さ1.1m、全長13mの船は、もちろん動かない。店の場所は大阪ミナミの繁華街、商業ビルのキャナルテラス堀江の2階フロア。近年、橋や護岸などの景観整備が進む道頓堀川に面した、若者に人気の注目スポットである。

Dining&Bar BLEU[大阪・南堀江/ダイニング&バー](写真:下村 康典)
Dining&Bar BLEU[大阪・南堀江/ダイニング&バー](写真:下村 康典)

 以前にもこの場所に「BLEU」があり、建物の建て替えに伴って店を一新した。メーンダイニング、テラス、DJボックス、バーカウンターなどの構成は、旧BLEUと同じだ。

 BLEUの名は、「川から水、水から青」と連想して付けられた。その川を象徴するものとして、船の形が発想されたのだ。船体の独特のカーブは、造船技術である鐃鉄(ぎょうてつ)法で造形した。そして全体を4分割にして店内に搬入し、現場で溶接している。

 カウンタートップは厚さ12mmのゼブラウッドのフローリング仕上げ。内側には照明をまわして時間によって色が変化するようになっている。足元にも照明が組み込まれ、船体のラインが浮き上がる。天井には砕ける波やシャンパンの泡をイメージしたオブジェを飾り、青いLED照明で照らす。インテリアのみならず、キーカラーの青にちなんで創作したカクテルも提供する。

 「その時、その場所にしかできないデザイン」を追求し、個性的なアーティストや特殊技術によって綿密につくりあげたスペースがここだ。企業戦士たちは、1日の疲れを道頓堀川に流して帰路につく。

ダイニング&バー ブルー

  • 設計/カフェ
  • 設計者/カフェ(森井良幸)
  •  
  • 設計協力者/アート:STUDIO SAWADA DESIGN、中央カウンター:高橋工業、アートファブリック:オフィスイン、アートワーク:八木製作所、ディスプレー写真:下村写真事務所、照明計画:マックスレイ
  •  
  • 所在地/大阪市西区南堀江1-5-26 キャナルテラス堀江2階
  •  
  • 発注・運営者・プロデュース/オペレーションファクトリー
  • 施工者/ジーク
  •  
  • 面積/436m2
  • 客席数/140席
  • 開業日/08年7月15日

仕上げ

  • バーカウンター/床:御影石JB カウンター:スチール〈高橋工業〉 天井:斜め天井:ブラックビトロ、フラット天井:AEP
  • テラスシート/床:カーペット 壁:木製〈ARTSTUDIO SAWADA DESIGN〉 天井:AEP 家具:SNAKE SOFA ベルベット張り

利用案内

  • 営業時間/月~土18:00~5:00 日・祝日18:00~翌1:00
  • 定休日/なし
  • 電話/06-4391-3477
  • 交通案内/JR難波駅から徒歩4分、近鉄難波駅、地下鉄四ツ橋駅から徒歩5分、南海本線難波駅から徒歩6分

デザイナー紹介

森井 良幸(もりい・よしゆき)/1967年京都市生まれ。建築設計事務所、内装会社を経て、96年カフェを設立(写真:新関 雅士)

<訂正>初出時に、カウンターの製作方法(船体のカーブ)を「実際の造船技術を利用したもの。腰壁部分のスチールをたたいて曲げることによって造形した」としましたが、「造船技術である鐃鉄(ぎょうてつ)法で造形した」に訂正しました。(2009年6月12日16時00分)

出典:Designers' vol.1 2009

記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。