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 文部科学省は6月16日、全国の公立小中学校の校舎や体育館など約12万5000棟のうち、震度6強の地震で倒壊などの危険性が高い建物が約7300棟あると発表した。

 2009年4月1日時点の推計値で、08年の同時期に比べておよそ3300棟、減っている。08年6月に施行した改正地震防災対策特別措置法が、耐震診断を義務付けたことで診断が進んだ。一方で、耐震補強工事費の国庫補助率を1/2から2/3に引き上げたことも改修を促す理由となった。危険性の高い建物7300棟については、08年度の繰り越し予算と09年度の予算で全棟の対策を完了する計画だ。

 調査では、倒壊の危険性がある建物の都道府県別の内訳を示している。最も多いのは、大阪府で527棟。08年の1045棟からほぼ半減した。大きな要因は、耐震診断が進み、耐震性が確認できたことだ。以下、北海道438棟、兵庫県351棟、埼玉県319棟、東京都309棟と続く。少ないのは、沖縄県15棟、鳥取県36棟、佐賀県45棟、宮崎県46棟、宮城県48棟、福井県48棟、山梨県48棟の順だ。

震度6強の地震で倒壊などの危険性が高い建物の都道府県別内訳(資料:文部科学省)
震度6強の地震で倒壊などの危険性が高い建物の都道府県別内訳(資料:文部科学省)

 全体棟数のうち耐震性が確認できた建物の割合を示す耐震化率は、全国で67.0%と、08年よりも4.7ポイント上昇した。都道府県別では、神奈川県93.4%、静岡県と宮城県90.1%、三重県89.0%、山梨県86.6%の順に値が大きい。耐震性に不安のある建物は、全国で4万1206棟あると推計している。耐震診断の実施率は、全国で95.7%だった。

全国12万4976棟のうち、耐震性を確認できていない建物が全国で4万1206棟で、33.0%を占める(資料:文部科学省)
全国12万4976棟のうち、耐震性を確認できていない建物が全国で4万1206棟で、33.0%を占める(資料:文部科学省)

 改正地震防災対策特別措置法のもう一つの目玉は、耐震診断の結果を建物ごとに公表するよう義務付けたことだ。調査から、結果を公表していない自治体が全国1880のうち320(17.0%)あることが分かった。文科省では、さらに結果の公表を促すため、公表していない自治体の一覧を公開するなどして、公表を強く求めていく方針だ。

<訂正>初出時に「耐震補強工事費の国庫補助率を1/2から1/3に引き上げた」と記述しましたが、「耐震補強工事費の国庫補助率を1/2から2/3に引き上げた」と訂正しました。(2009年6月22日9時30分)