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商空間を中心に話題のプロジェクトの照明デザインを数多く手掛ける武石正宣氏。空間デザイン自体の良さを生かしながら、光の存在感をさりげなく出すことに定評があるライティングデザイナーだ。複合商業施設「Ao(アオ)」では、外装演出照明を担当。その「光」の意図について武石氏に尋ねた。

東京・青山通り沿いに建つ複合商業施設「Ao(アオ)」。オープンは3月26日。幅の異なるサッシを複数組み合わせたファサードは、夜になるとLED照明でほのかに浮かび上がる(写真:柳生 貴也
東京・青山通り沿いに建つ複合商業施設「Ao(アオ)」。オープンは3月26日。幅の異なるサッシを複数組み合わせたファサードは、夜になるとLED照明でほのかに浮かび上がる(写真:柳生 貴也

――Aoの外装演出照明のポイントは?
武石 Aoは、商業ビルとしては珍しく、全面がガラス張りのカーテンウオールで覆われており、各フロアのテナントの様子が外から見えるデザインだ。夜になるとテナントの内部照明が外に漏れてくるため、普通の商業ビルなら採用できる、例えば、壁面を使ったサインやビルをライトアップする方法を採用しにくい。

 そこで、建築自体が持つ透明性のある「スキン」を生かしつつ、かつテナントの照明と融合させながら、ビル全体に光を“まとわせる”方法を探った。

青山に似合う季節感、自然感を表現したい

――具体的には、どのような照明方法を採用しているのか?
武石 ダブルスキン形式のカーテンウオールのサッシは、方立てのピッチの違いで400mm、900mm、1300mmの3つのパターンがあった。

 これらがランダムに組み合わさっている。ガラスの透明性の違いも3種類あり、400mmの個所は乳半ガラス、900mmではストライプ模様のガラス、1300mmでは透明ガラスにしていた。この与条件の下で、外装演出照明のための光源を400mmと900mmのサッシの内部に取り付け、下から上に照らす形にした。照らし方は400mmではスポットライト的に、900mmではフラット的にしている。

――下から照らす方法にした理由は?
武石 このビルは、基本的には遠くから見るか、下から見上げるか。それを考えると下から照らす方法が良いと考えた。

――光源としてLEDを使った理由は?
武石 「青山」という場所を重視した結果だ。都市の中にありながら、季節感、自然感を表現したい。イメージとしてあったのは、雲の間からすーっと漏れてくる光。これを表現するために、いろいろな光源を検討したが、最終的には、すべての色を使って表現できるLEDを選んだ。今回、使った高輝度LEDは特別なものではなく、普通に手に入る製品を、照明会社のカラーキネティクス・ジャパンと一緒にカスタマイズしたものだ。