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 中国・上海で6月27日に発生した建設中の13階建てマンションの倒壊事故。上海市政府は7月3日に記者会見を開き、「マンション北側の盛り土や南側の土砂掘削によって、土圧の不均衡を招いたことが倒壊の原因」と推定し、施工に問題があったとの見方を示した。「建物の構造設計や、基礎杭の材質などに問題はない」とも説明した。

中国・上海で倒壊した13階建てマンション。写真は、北側から見た様子だ。杭の根元が破壊し、建物が転倒した。事故当時、建物と川の間の敷地に高さ10mまで土砂が積み上げられていたという(写真提供:日建設計上海 李善棟氏 )
中国・上海で倒壊した13階建てマンション。写真は、北側から見た様子だ。杭の根元が破壊し、建物が転倒した。事故当時、建物と川の間の敷地に高さ10mまで土砂が積み上げられていたという(写真提供:日建設計上海 李善棟氏 )

 倒壊したのは、上海市閔行区を流れる淀浦河沿いに建設中のマンション群「蓮花河畔景苑」の7号棟。デベロッパーは上海梅都房地産開発公司。設計は浙江当代建築設計研究院公司、施工は上海衆欣建築公司が担当した。

 事故が発生したのは6月27日午前5時半ごろ(現地時間)。マンションが突然、倒壊し、横倒しになった。この事故で、逃げ遅れた作業員1人が死亡した。中国メディアの報道によると、地震が発生したと付近住民が思うほどの衝撃があった。目撃者の証言によると、転倒する時間は5~10秒といった短い時間だったという。

 上海市政府は事故直後、14人からなる専門家チームを組織。設計や地質、水利、構造などといった技術的観点から事故原因の調査を進めた。

 市政府が発表した調査報告では、事故は施工に起因すると結論付けた。事故直前に、マンション北側の川沿いの敷地に、残土を最高で約10m積み上げていた。一方、南側では地下駐車場を構築するため、開削で深さ約4.6mまで土砂の掘削作業を進めていた。このため、南北面で地盤のバランスが崩れて水平力が加わり、基礎杭が耐えきれなくなって倒壊に至ったと推測している。

 記者会見で専門家チームの座長は、「無知で恐れを知らず、科学的な態度を欠いたことが、この事故を招いた」と、施工者を非難した。

 事故を巡っては建築の設計・品質面などを問題視する声もがあったが、市政府は「建物の構造設計は基準に合致しており、基礎に使用したPHC杭の品質にも問題がなかった」と説明した。