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西武百貨店 池袋本店「アンド・ドレス」 (東京都豊島区)

婦人服売り場にLEDを導入

 西武百貨店池袋本店3階のドレスアップをテーマにした婦人服売り場「アンド・ドレス」は、全照明の95%に相当する264台のLED照明を導入して、2008年11月21日にニューアル・オープンした。西武百貨店が展開する「編集売り場」で、結婚式やパーティなどで着る「ドレスアップスタイル」を提案することをコンセプトにしている。

「アンド・ドレス」では、通路(写真の右下の部分)よりも床面を少し高くして、ステージに見立てて照明計画を行った。舞台のように多彩な光をLED照明が演出している。通路部分との光量の差は、あまり気にならない(写真:すべて西武百貨店池袋本店)

 エスカレーターに隣接する3階フロアの中心となるオープンスペースに位置する。周辺は既存の光源を使った明るい光環境のテナントが連なっている。このように周辺の光量が大きい場所でLED照明を導入する場合、基本照明の光量不足が課題となる。

ルクスが低くても明るく感じる

 「アンド・ドレス」の照明設計を手掛けたパルコスペースシステムズ営業開発部ライティング課の土屋雅巳課長は、「百貨店の照明は基本照明、商品照明、環境照明などの照明要素から構成される。その組み合わせで空間を立体的に表現し、商品を際立たせ、見る楽しさを高める役割を果たす」と説明する。

 LEDを導入する場合は、基本照明の光量を抑え、天井から商品に当てるスポットライトなどの商品照明を基本照明の3~5倍の明るさにすることで明暗のメリハリが利いた光環境をつくることができる。壁などを含む環境照明(アビアント)も効果がある。鉛直面にも照明を施すことで、水平面照度(ルクス)では分からない明るさを体感できる。

 光量以外の課題もある。「まだ白色LEDの光は赤の再現性が弱く、赤い商品がオレンジに近い色に見えたり、くすんだ赤色になったりしやすい。より良い光源を求めて、100社以上の照明メーカーの製品を見て導入する機種を選んだ」と土屋氏は打ち明ける。

 緻密な設計によって、「アンド・ドレス」の照明は、百貨店のアパレル売り場の照明手法を大きく転換させた。LED照明を意識しない来客者たちにも、メリハリのある光環境は評判が良いという。

(1)天井照明は主に3種類のLED照明を採用した。これは演出照明用の配線ダクトスポットライト。遠藤照明の特注品 (2)遠藤照明のユニバーサルダウンライト(4灯用ジャイロ)の特注品。全光束2568ルーメンと明るく、消費電力は72Wと省電力 (3)天井設置のユニバーサルダウンライト(単体)。商品の素材感を的確に見せることができるLEDを特注で使用した(遠藤照明)

(4)造作内に仕込んだ照明(マックスレイ)。ダウンライトのスポットが半透明の樹脂素材で乱反射するので淡い光を演出できる (5)造作内に仕込んだ照明(パナソニック電工)。内装材のテクスチャーを生かせるように、輝度の高い照明を使用した。造作を照らす光も視覚的に明るさを増す効果がある

ダウンライトに照らされた半透明の樹脂素材によるパーティション

遠藤照明のユニバーサルダウンライト(左)と配線ダクトスポットライト

主役は省エネではなくて“商品”

 西武百貨店は「アンド・ドレス」に続いて、2009年8月末を目途に池袋本店4階フロア全体の大半の照明をLEDに切り替える計画だ。

 「省エネを考えることはもちろんだが、人の視線や感じ方を理解して照明設計をする必要がある。あくまでも、主役は省エネではなく、商品を美しく見せることだと考えている。今後はそうしたLEDの使用方法や手法を確立することに力を注いでいきたい」と土屋氏は強調していた。

[建物概要]

売場面積:220m2
発注・運営者:西武百貨店池袋本店
プロデュース:ミレニアム リテイリング
アートデュレクター:ジアス・ネットワークス
設計者:田丸デザイン事務所
照明設計者:パルコスペースシステムズ
施工者:ジーク東京店
設計期間:2008年9月12日~10月26日
施工期間:2008年10月26日~11月20日
開業日:2008年11月21日

[使用製品]

遠藤照明/ユニバーサルダウンライト(4用ジャイロ)特注品
遠藤照明/ユニバーサルダウンライト特注品
遠藤照明/配線ダクトスポットライト特注品
パナソニック電工/ダウンライト(NNN21617:白色タイプ)
マックスレイ/ダウンライト(MD20337−02−00:昼白色)
遠藤照明/ダウンライト(XLD3034S)
コンテンツ/ルーチバ ワーフレックス(LFP−060−WW)