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照明デザイナーの石井幹子氏(右)と美祢市長の村田弘司氏(左)
照明デザイナーの石井幹子氏(右)と美祢市長の村田弘司氏(左)
秋芳洞内の長淵のライトアップ
秋芳洞内の長淵のライトアップ
秋芳洞内の百枚皿のライトアップ1
秋芳洞内の百枚皿のライトアップ1
秋芳洞内の百枚皿のライトアップ2
秋芳洞内の百枚皿のライトアップ2

特別天然記念物「秋芳洞」(山口県美祢市)では、開洞100周年を記念して洞内のライトアップを実施中だ(8月2日まで)。照明デザインは石井幹子氏が担当した。5月28日に「Tech-On!」が報じた関連記事(石井幹子氏が秋芳洞をライトアップ、「最小の電力で最大の演出効果を」)を転載する。(ケンプラッツ編集部)

 山口県美祢市は2009年5月27日、美祢市にある特別天然記念物「秋芳洞」の開洞100周年祭記念事業イベント「交響ファンタジー・水と大地の神秘」の記者発表会を開催した。同イベントは100周年祭記念事業の目玉で、世界的な照明デザイナーである石井幹子氏が、秋芳洞内のライトアップを手掛けるもの。開催は2009年7月25日~8月2日までの9日間。洞内の7カ所でそれぞれテーマを設定し、光と音を使って演出する。

 石井氏は、「鍾乳洞を傷めない事を考えながら、自然の造形を光で美しく表現することを目指した。自然の力を是非多くの人に見て欲しい」と話した。例えば、長淵と呼ばれるエリアでは「水の歌」をテーマとし、水面を柔らかい青色の光で照らしながら、水面の揺らぎなどを使って微妙なニュアンスを表現したという。百枚皿と呼ばれるエリアでは、淡い虹色の光を動かしながら投射して幻想的な空間を演出するなど、それぞれの場所でそれぞれのイメージを見せることに腐心した。

できるだけ少ないエネルギーで最大の演出効果を

 石井氏が「今回の照明計画で最大の配慮を払った」と説明したのは環境や省エネルギー。できるだけ少ないエネルギーで、最大の演出効果を挙げることを心がけたという。洞内に設置した照明器具数は全部で89台。このうち約2/3に当たる61台をLED照明器具で賄う。照明器具の合計消費電力は約7kW で、1時間当たりの電力料金は140円程度。「このイベントを通して、多くの人に地球と環境について考えていただきたい」と石井氏は語った。

 ライトアップの対象が鍾乳洞という点での苦労もあったという。まず、鍾乳洞を傷めないように、照明器具を設置するための杭を打ち込んだり、土台を作ったりといったことをできるだけ避けたこと。紫外線をカットすることにも配慮した。LED照明を採用した理由には、LEDの紫外線発生量が蛍光灯などに比べて少ないこともあるという。また、通常のライトアップ空間と異なり、鍾乳洞内の湿度はほぼ100%に近いため、観覧客の安全性を確保したり、湿度に耐え得る特別な照明器具を選んだりといった配慮も必要だったという。

 記者発表会に出席した美祢市長である村田弘司氏は、「このイベントを一種の壮大な実験と考えている。実施することによって、観光客をどのくらい喜ばすことができるか、あるいは洞内の環境にどのくらいの影響があるのかを見極めたい。それで『いける』となったら、恒常的な秋吉洞のライトアップに挑戦したいと思っている」と話した。