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 ウェディング施設やレストランなどを経営するノバレーゼ(東京都中央区)が運営する貸し切り型婚礼施設「高崎モノリス」(群馬県高崎市)は2009年5月、北米照明学会賞の国際部門で「Award of Merit」を受賞した。婚礼施設としては珍しい、LEDを中心とした照明計画が評価された。

 大型のシャンデリアを主役とする従来の華美な照明とは違い、天井一面に配したLEDダウンライトの光でシンプルなバンケット空間を満たしているのが特徴だ。

バンケット。天井のLEDダウンライトと窓際のスタンドなどを点灯した様子。花嫁花婿が下りてくる階段にも間接照明を設置(写真:ノバレーゼ)

 照明計画を担当したのは、照明デザイナーの武石正宣氏(都市環境照明研究所主宰)。照明計画は、ノバレーゼ・店舗開発室長の鶴田真巳氏が提示した次のような要望を満たすことからスタートした。

1.感動を与える照明
2.照明器具自体は目立たず、放つ光により空間の魅力が引き立つ
3.レイアウトを変更しても、各テーブルに照明の当て込みが可能
4.施設維持費の削減

 武石氏はこれらの要望を検討し、婚礼の中心となるバンケットには、ハロゲンライトではなく、LEDを主とした照明計画を提案した。「前例がないため、LEDダウンライトの配置などの検証を重ねた」と武石氏は話す。

 261m2の天井に800mmピッチ、計250個のLEDダウンライトを設置した。フィリップス社製の超狭角7.5Wだ。それらを15のグループに分割し、それぞれ明るさを調整するプログラミングを施して、約3万3000通りの照明パターンを可能にした。ほかに、色温度の制御が可能な12個のハイパワーLEDライトを加えて、照明の色味もコントロールする。

 使用頻度が高い64通りの照明パターンをまとめたスイッチパネルも用意した。プロの照明オペレーターではなく、バンケットを担当する社員でも簡単に操作できるようにするためだ。各テーブルに光を当て込む作業が、このパネルで行える。

和風庭園をはさみ、右がバンケット、左がチャペル(写真:ノバレーゼ)

 施設維持費の軽減も実現した。これまで使用していたハロゲンライトは定格寿命が約3000時間で、一日8時間使用した場合、おおよそ1年ごとに交換が必要だった。これに対して、LEDの定格寿命は約4万時間とされている。12年に一度の交換で済む計算だ。天井は約5.6mの高さがあるので交換作業時には可動式の足場を組むことが必要だが、このコストも抑えられる。ノバレーゼでは、施設維持費を年間で80万~105万円ほど圧縮できると見込んでいる。また、消費電力量はハロゲンライト使用時と比べ、施設全体で年間約85%の省エネルギーにつながるという。

アクリルのリングは、天井から約300mmの位置に吊るされている(写真:ノバレーゼ)

 天井を覆うアクリルのリングは、「光にきらめきを持たせたい」というノバレーゼ側の希望に応え、施設の設計を担当した垂見和彦氏(ラダックデザインアソシエイツ代表)が発案したものだ。アクリルのリングは直径400mmで、天井から約300mmの位置に吊り下げられた。直付けと違って天井付近のデザインを損なわず、効果的に光の輝きが表れる。

LEDダウンライトを十字架型に点灯(写真:ノバレーゼ)

 武石氏は、光のデザインに結婚式のストーリー性を重視。LEDの光によって十字架を浮かび上がらせたり、花嫁花婿の通り道を照らし出したりするような演出も行っている。LEDを100%使用することにはこだわっておらず、「白熱ランプのスタンドや蛍光灯の間接照明を要所に置いて、LEDの光の固さなどの弱点を補完し、結婚式にふさわしい感動のある演出を優先させた」と語っている。

外観。中庭を設けたコートハウスのプランニングにすることによって、屋外からのバンケットへの視線を遮断している(写真:ノバレーゼ)


[建物概要]

施設名:高崎モノリス
所在地:群馬県高崎市貝沢町732
用途:レストランおよび婚礼施設
敷地面積:3422.51m2 
延床面積:1251.09m2 
構造・階数:S造・2階建て
設計:ラダックデザインアソシエイツ
照明設計:武石正宣(都市環境照明研究所)