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 パナソニック電工は、電力会社が供給する交流(AC)電力と太陽電池パネルなどで作った直流(DC)電力とを効率よく住宅内に配電する「AC/DCハイブリッド配線システム」の研究・開発に着手した。交流電力だけだった住宅内の配電に直流電力も加えることで、交流から直流に電力を変換する際に生じるエネルギーロスをなくし、省エネにつなげていくのが狙いだ。

 家電機器の多くは交流電力を利用している。しかし、LED照明やデジタル家電といった、本来は直流電力で稼働できる機器もある。現在は、機器ごとに変換回路や変換器を介して交流電力を使っている。AC/DCハイブリッド配線システムでは、太陽電池パネルや燃料電池が生み出す直流電力を、直流分電盤を介して直流対応の機器に供給する。電力会社から送られる交流電力は、オーブンや床暖房といった交流電力で稼働する熱源機器に給電するほか、直流分電盤にも送る。直流分電盤はコンバータ(変換器)を内蔵しており、交流電力を一括して直流電力に変換する。

AC/DCハイブリッド配線システムの構成図(資料:パナソニック電工)
AC/DCハイブリッド配線システムの構成図(資料:パナソニック電工)

 パナソニック電工の試算では、今回のシステムによって個々の機器で交流から直流に電力を変換するよりも住宅1戸あたり5~10%の省エネ効果が見込める。さらに、直流電力に対応する機器は、変換器が不要となることから、小型化できるなどのメリットもある。

 次世代の住宅内配電インフラシステムとして、国内外でのスタンダード化を視野に入れた研究・開発だ。現在は、システム全体の試験や直流分電盤の開発が中心になる。今後は、直流コンセントの技術開発にも取り組んでいく。直流電圧の規格化など、解決しなければならない課題もあるという。パナソニック電工の担当者によると、「直流電力に対応する機器のなかでも、エアコンや冷蔵庫など高電圧機器へのシステムは、安全性などの面で開発に時間がかかる」と話している。

 AC/DCハイブリッド配線システムを研究・開発するためパナソニック電工は、環境省の地球温暖化対策技術開発事業(2007年4月~10年3月)と新エネルギー・産業技術総合開発機構の次世代高効率エネルギー利用型住宅システム技術開発・実証事業(09年6月~11年2月)に参画している。