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 構造計算書偽造事件に端を発した建築士法の改正に伴う制度や基準などが、2009年に次々と動き出した。

 例えば、1月7日には、新業務報酬基準である国土交通省告示15号が施行された。従来の報酬基準である告示1206号で示されていた報酬算定式の略算式を改定。工事費ベースから床面積ベースに改めるなど、建築士事務所の報酬の目安を、建築主に分かりやすく示すことを目的とした。

 また、業務量の内訳を総合と構造、設備に分けて示した。これによって、構造・設備設計事務所の報酬の増額につながることを期待する声が聞かれる。一方で、法的強制力がない基準の実効性に疑問を持つ向きも多い。

 1月16日には、建築士法第2条第7項で定める「工事と設計図書との照合および確認」の業務内容の目安を示した工事監理ガイドライン案を公表。9月1日に通知した。

 一連の建築士制度見直しの中でも、特に影響が大きいとみられていたのが、5月27日に施行された構造・設備設計一級建築士制度だ。一定規模以上の建物の設計で、構造・設備設計一級建築士が設計、または法適合確認を行うことを義務付けた。5月27日から11月26日までは経過措置とし、5月27日以降に設計した対象建築物の建築確認を申請した場合は、有資格者の関与を求めた。

 11月27日には本格運用が始まり、設計時期に限らず有資格者の関与が必要となった。有資格者の記名・押印のない申請は受理されなくなっている。不足が懸念されている有資格者の紹介などを行う建築設計サポートセンターの設立も、09年2月には全都道府県で完了した。

 日経アーキテクチュア2009年12月28日号では、09年に起こった10大ニュースを、編集部で選定した。誌面では、図表・写真やさらに詳しい内容を交えて紹介している。10大ニュースの項目は以下の通りだ。

[日経アーキテクチュア編集部が選んだ10大ニュース]

1 政権交代:民主政権の誕生に揺れた建築界
2 建築制度改革:建築士法改正に伴う新制度開始
3 不動産不況:新設住宅着工100万戸割れへ
4 確認取り消し:自治体の許可・認定を違法と判断
5 落下事故:建物表皮が次々とはがれ落ちる
6 200年住宅:戸建て中心に普及が進む
7 環境:市場拡大の一方で規制も強化
8 ストック活用:新設低迷下で存在感増す改修
9 防火の新課題:断熱材に潜む火災拡大リスク
10 邑楽町コンペ訴訟:町が遺憾の意を表して和解