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 2009年は住宅会社の「信用力」が急激に収縮した1年と記憶されることになりそうだ。09年11月18日、山梨の中堅住宅会社、サンワホームが東京地方裁判所に民事再生手続きを申請。債務を一時棚上げして再生計画の策定に入った。09年は富士ハウス、アーバンエステートという中堅会社2社が相次いで経営破たん、多数の被害者を出したばかりだった。

 サンワホーム(本社=山梨県中巨摩郡昭和町、遠藤和彦社長)の設立は1988年。本社を置く山梨県からエリア拡大を推し進め、東北、関東、信越、北陸、東海の延べ10県22カ所でモデルハウスを展開していた。だが受注は2004年(10月期決算)をピークとして落ち込み続けた。09年決算における引き渡し棟数は約215棟。04年の引き渡し棟数507棟に比べ、60%もの減少だった。

 同社が裁判所に提出した手続き申立書によると、同社は数年前から債務超過に陥り、08年からは事業立て直しを前提に、複数の銀行へ返済期間の延長などを求めていた。だが09年の業績が思わしくないことが明らかになり、9月に1行から預金の仮差し押さえを受けて窮地に陥った。負債は合計39億円。うち27億円が金融債務だ。

 申立代理人の一人、弁護士の秋野卓生さん(匠総合法律事務所)は、11月19日に甲府市で開いた記者会見で、以下のように話した。

 「09年期は引き渡し300棟を目指したが、不況のあおりで達成できなかった。このままでは事業継続は困難だと考え、秋頃から事業継承先を探したが、見つからなかった。施主に迷惑をかけないためには、手元資金が確保できている今しかなかった」

 11月時点で、工事途上の物件は50棟。現在のところ債権者とは温和に話し合いが続いており、債権者説明会の翌日から工事は再開されたという。着工前だった契約済み物件は256棟。これらの契約を確実に完成に結びつけ、債務弁済に充てる考えだ。再生計画提出期限は2010年2月半ば。それまでに施主や債権者の理解を求めていく。

2社の大型倒産が影響

 サンワホームは09年の着工急減の中でも前年並みのペースで住宅を引き渡していた。だが早期に民事再生へ踏み切った。これには、大型の消費者問題に発展した09年の経営破たん事件が背景にある。

 1月16日、中部圏の有力住宅会社だった富士ハウス(静岡県浜松市、川尻増夫社長)が破産。工事途中の2000棟以上を引き渡せなくなった。また3月30日にはアーバンエステート(埼玉県川口市、大山伸吾社長)が破産し、やはり500棟の工事がストップした。

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◆日経ホームビルダー2010年1月号「緊急リポート」では、このほか富士ハウス、アーバンエステートの経営破たんによる被害の最新状況などについての取材ルポを掲載しています。