PR

 戸建ての家づくり・リフォームに関して、日頃感じる疑問を自ら検証してみる――。こうしたテーマで日経ホームビルダーが連載しているコラム「突撃! ゲンバ検証隊」。2010年2月号の同連載で検証の発端になったのは、下に挙げた2枚の電気料金明細書だった。1枚は検証隊の一員であるO隊員のもの。もう1枚は関東在住の一般の住まい手Mさんのものだ。

 O隊員もMさんも家族構成は、夫婦を筆頭に小学生を筆頭とする子供たちと似ており、日常の生活パターンも大きな差はない。しかし、Mさん宅の月額電気料金は、O隊員のなんと半分以下だ。「なにが違うのか…」という疑問から、今回の検証が始まった。

電気料金の明細書で左はMさん宅、下はO隊員宅のもの。隊員たちはそれぞれの電気使用量に加えて、契約内容の違いにも注目した
電気料金の明細書で左はMさん宅、下はO隊員宅のもの。隊員たちはそれぞれの電気使用量に加えて、契約内容の違いにも注目した

 2枚の明細書で隊員たちが注目したのは契約アンペア数の差だ。O隊員宅は契約種別「従量電灯C」の「8kVA」(80A)。電気使用量が比較的多い住宅や店舗などに多いタイプだ。他方、Mさん宅は「従量電灯B」の「20A」。一般家庭向けだが、様々な家電製品が増えた現在の平均的な住まい方を考えるとやや少ない。

 2軒それぞれの住宅規模や2家族の住まい方を下の表に簡単にまとめた。少し補足すると、Mさん宅はやや変わった建物だった。元々は築20年の4世帯用2階建て木賃アパートで、Mさんは取得時に建物内部を大幅改修。1階の2世帯分の居室を合わせて4LDK化したうえで、電気は1世帯分(20A)だけを残して生活していた。MさんとO隊員それぞれの家族構成や主な照明器具などは下の表の通りだ。

O隊員とMさんの家族構成など
O隊員とMさんの家族構成など

 「いまどき20Aで足りるのか…」。検証隊はまずはMさん宅を訪ねて話を伺うと共に、1日分の電気使用量を計測してみることにした。計測では財団法人省エネルギーセンターが認定した「省エネナビ」の一つ、埼広エンジニヤリング製の「PS02」を使った。下がその計測データだ。

Mさん宅の電気使用量
Mさん宅の電気使用量

 「節電とか省エネとか、特別に気を使っているわけではないんですよ」とMさんは笑う。「複数の家電製品を同時に使うとブレーカーが落ちるときもあるので、用心して順番に使ってます」と説明してくれた。Mさん宅の後に、O隊員宅でも同条件で計ってみた。下がO隊員宅の計測データだ。

O隊員宅の電気使用量
O隊員宅の電気使用量

 2家族のグラフを比べると、朝から夜にかけた推移の傾向は似ているが、O隊員宅のほうが全体に電気使用量が多く、特に夜間に圧倒的に多いことが一目瞭然だ。ピーク時の電力量はアンペア換算で、Mさん宅は平日が17.07A、休日が15.06A。O隊員宅は平日19.53A、休日25.46Aだった。

 「Mさんは、契約アンペア数がそもそも低ので用心しながら使っていることが、結果的に電気使用量を抑える行動につながっているのでは?」「Mさんのように20Aでも十分生活できるなら、O隊員宅の高い電気料金ってなんなんだろう?」。隊員たちはさらに検証を進めた(2に続く)。

GENBA検証隊のメンバー紹介
創刊号から「突撃!ゲンバ検証隊」の隊長を務める大塚正彦隊長=正屋デザインシステマ代表、同じく結成時からのメンバーで測定機器に強い構造設計者の金氏泰彦=フェイス・フォー代表、好奇心旺盛で工作好きな岡本牧子=正屋デザインシステマ、モニター役も買って出るライターの村田晧、「突撃!ゲンバ検証隊」担当デスクの下田健太郎、編集部員の荒川尚美

*            *            *

◆この検証の模様は、日経ホームビルダー2010年2月号連載「突撃!ゲンバ検証隊」でさらに詳しく紹介しています。